PS2版『苺ましまろ』プレイ日記その2

 ちょっと間が空きましたが、毎日外出疲れを押してじわじわじわじわ進めてました。既に五周を終え、茉莉を除く四人はクリア特典のインタビューが再生出来る状態に漕ぎつけました。茉莉の話も進めていたつもりだったのですが、追い込みが甘かったようで、中途半端な結末になってしまったのです。現在再度追っかけてます。

 これだけ繰り返して、ようやくゲームの性格が見えてきました。各キャラクターがどこにいるのか、アイコンで表示される形にはなっているものの、実際にはなんの表示もされていない箇所でいきなり出没したり、その後の新展開の伏線が張られる場合もあるようで、普通に追いかけているだけでは狙いの娘のエンディングが見られない。そのゲーム的な工夫は評価します。

 が、いかんせん、シナリオの掘り下げが浅くて、全般にちょっと退屈です。そこ突っ込むところだろう、とか原作ならもっと話を広げるぞ、というところであっさりと話を切り替えたり中断させてしまう箇所が多いのにフラストレーションが溜まります。

 また、ゲーム的な攻略性を導入したかったのは解るのですが、それが各キャラクターごとに差別化されておらず、ある方向性においては全員解き方が同じ、というのがいただけない。序盤で各キャラクター固有の悩みや夏の目的を聞き出せると、それを軸に好感度が上がりやすくなる、という仕組みなのですが、聞き出してからの展開が全員似たり寄ったりなのです。そのうえ、実際にプレイヤーキャラはなにも出来ていないのに感謝されたり、ちょっとしたひとことを伝えれば済むものをわざわざラスト近くまで引っ張ったりする単純さはどうか。折角用意した軸なんだから、それを活かして独自のシナリオを膨らませていけばいいものを。アニメ版の感想でも何度か書きましたが、『苺ましまろ』の世界観はそういう“遊び”を許容するのですから、もっと広げていかなければ。まして、アニメ版ともCDドラマ版とも異なり、唯一あの五人の中に“男性”を放り込んでいるのですから、だからこその個性的な膨らませ方をして欲しい。

 とか何とか言う以前に、やっぱりこの話に恋愛要素はちょっと邪魔。千佳あたりはまだしも、伸恵や美羽はそのせいで充分に羽が伸ばせておらず、原作の半分ぐらいしか魅力が発揮出来ていない印象です。女の子同士で無茶苦茶やってるから楽しいんですって。男を絡めるのなら、同じテンションでくっついていって個性を引き出させるような肉付けをしなければ拙かった。そこまでして、原作ではあり得ない恋愛感情を引き出す面白みがやっと演出できるところまで漕ぎつけられるのに、この作品のシナリオは大幅に踏み込みが浅い。

 四人半攻略したとはいいつつ、まだアルバムがまったく埋まっていないので、まだまだ見落としているイベントがあるようです。或いはその辺にもっと魅力的なエピソードがあるのかも知れないと思いつつ進めているところですが、しかし各キャラのエンディング自体があまり魅力的でないので、正直なところそろそろ倦んでます。エンディングもなるべく本編のシナリオと連携させる形でないと、いまいちやり遂げたという感覚が生じないのですが……。

 一部拙い構図があることを除けば、グラフィックは合格。それだけにイベント自体にのめり込む要素がほとんどないのがひたすら惜しまれます。原作を踏まえた出来事をちょっと異なった視点から描いたイベントにしても、漫画ならではの呼吸があってこそ面白い、というのを解らずにただそのまんま投げ入れているだけだったり、またプレイヤーキャラという第三者が介入していることを全然活かしていなかったりするので、逆に詰まらない印象を与えているのではやっぱり駄目でしょう。

 と、ネガティヴなことを言いながら、これを書いている横でまだちくちくと進めているので、原作ファンとかごく一部の変人には訴える要素があるのは否定しませんが、現時点では客観的にいまいち、と言わざるを得ません。『苺ましまろ』のいったいなにが面白いのか、解らずに作ったとしか思えないんだよなー。

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