『地獄少女』第十二話 零れたカケラ達

 自宅に引き籠もり、たったひとりのメル友に対してだけ心を開く少女・沢井茜。彼女が地獄通信に復讐を依頼したのは、毎日彼女の様子を訪ねてくる担任教師・深沢芳樹であった……

 前半はこれまでになくいい感じで進んだのに、CM前で台無しに。そこまで一所懸命拒んでたのに、母親が名前を呼んだだけで出てくるなら話は簡単に済んだんじゃないのか?! 毎回、アイディアを脚本が殺している印象が拭えずにいたのですが、今回は一発顕著なのが出て来てがくー、と落ちこむ。

 しかし、繰り返しますが、アイディア自体は悪くない回もあって、今回はその最たるもの。特に今回の話は、テーマとしては非常にいい。わたし好みだ、ということもありますが、その発想には大変強く惹かれました。設定を援用して、ああいう顛末を選んだことに初めて感心。

 経緯に不自然なところがあるとか、重要なモチーフとなる廃墟がどう見ても住宅街の目立つところにあって、とても秘密が保たれるような空間ではない、といった相変わらず安易なミスも目立ちますが、いまのところこのシリーズではいちばん評価できる話になっていたかも。あいの役立たずの部下三人をまったく出さなかったことも奏功してます……って、それじゃやっぱり駄目なんだけどな。

 それにしても……珍しく悪くない状態の話があったとはいえ、九割方ガタガタな話をあと十数話もやるんですか……このくらいで終わってくれればまだしも、そろそろ付き合いきれなくなってきた気が……。

コメント

  1. 冬野 より:

    一番良かったのは伏線として、地獄少女に初めて自分のしていることへの戸惑いが見えたことで、例のカメラマンの娘と邂逅する余地ができたところじゃないですかね。

  2. tuckf より:

    それはありますね。これまでも地獄少女の使命に疑問を投げかけるような人物や台詞がありましたが、あそこまで如実に突きつけられたのも初めてです。その辺、巧く処理してくれれば、最後何話かは観られる話になる、かも。……あんまり期待はしてませんけど。

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