『時効警察』第五話

 今回の演出は『着信アリ2』の塚本連平。大物ミュージシャンの死のきっかけはキス。毒物による犯行が疑われたものの遺体から反応は出ず、迷宮入りとなった事件である。疑惑は若き女医の卵であった妻に向けられたが、結局容疑が固まらないまま時効を迎えた。霧山はまず妻の周辺を探るが……

 あー、久し振りに第一話・第二話あたりに近いテイスト。なんで横一列に座ってるんだよ、とか人の家に来てどうしておにぎり食べ始めるんだよ、とか霧山絵を描くの早すぎ、とか実に味わい深い小ネタを繰り出してくる。これは監督以外の人間が脚本に携わっているのが幸いしているのでしょう。

 今回はゲストも秀逸。疑惑を持たれるクールな妻を演じる奥菜恵もいいのですが、ミュージシャンの影響を未だに抜け出せない暑苦しい男を演じる東幹久が更に嵌りすぎで素敵だ。なんで風邪を引いた男の家に上がり込んで卵酒作ってるんだよおまえー!

 そして今回はこのシリーズでいちばんミステリらしいミステリ。焦点となる仕掛けもモチーフも決して珍しいものではありませんが、『時効警察』という枠のなかで活きるように工夫を凝らしている。今のところシリーズ最高傑作と認定しましょう。

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