ナタは何しに出てきた?

 きょうはけっこうギリギリまで出かけるか否か迷ってました。
 そもそも映画鑑賞じたい、思案してたのです。気になっている作品は1本あったのですが、どうも上映時間が微妙。評判がいいようで、全日上映している劇場も幾つかあるのですが、私の行動しやすい時間帯があまりない。しかしけっきょくは、またぞろいつもより早く行動する覚悟を決め、TOHOシネマズ新宿で9時25分スタート、という、朝食は8時前後が基本の私にはけっこう厳しい時間でチケットを押さえた。
 いざ当日になってみたら、予定になかった雨……天気予報アプリのい時間予報を確かめると、雨は9時台まで、そのあとは曇りで落ち着きそうな気配。ですが、私が移動する時間にぶち当たっている。まだまだ感染規模がじりじりと拡大しているこの状況で、それでも私が映画館通いを続けているのは、移動は基本二輪車で、不特定多数との接近は映画館内部以外では皆無に近いから。が、9時25分までの到着を見込んで電車での移動に切り替えると、もろにラッシュの時間帯にぶつかってしまう――リモートワークや勤務時間のスライドがちょっとずつ定着していて、以前よりましになった可能性もありますが、それでもふだんの私からすればリスクが増す。
 荷物を支度しながらギリギリまで、「もうチケット自体諦めよっかな~」とまで考えてたのですが、試しに外に出てみて、やや空気が湿っている程度で、雨が降っている、というほどではない、と感じ、とりあえずバイクでの移動を強行しました。道中、あんまり降りがひどくなりそうなら引き返してしまおうつもりで。
 途中までは、ヘルメットのシールドにつく雨粒が大きくなることもありましたが、行程半ばくらいになると雨の気配が治まった。いちばん手頃な駐車場も、雨が降っていたのが幸いしたのか、スペースが空いてました――ただここ、しばしばイタズラする奴がいるようで、何も駐まってないのに固定用のピンが端末に挿さっていたので、電話をして了解を得る手間を取らされましたが。お陰で、そうでなくても家を出るのがギリギリだったので、スクリーンに入れたのは本篇開始直前でした。むしろよく本篇に間に合ったと思うわ。

 前置きが長くなりましたが、そんな風にギリギリまでバタバタしてようやく鑑賞した本日の作品は、人間たちによって棲む場所を逐われた妖精たちの戦いを描いた羅小黒(ロシャオヘイ)戦記~ぼくが選ぶ未来~(吹替)』(チームジョイAniplex配給)
 そんなに大々的に宣伝を打っている印象はなく、公開時期も知らなかったくらいなんですが、劇場で名前を見るようになってからだんだん好評が聞こえてくるようになって、観ておいた方がいいかも、という気分になってました。が、上映時間とか優先順位の都合でなかなかきっかけが掴めず、そして当日になってもだいぶまごついて、何とか鑑賞。
 ……本当に面白かった。
 日本におけるアニメーションの主流と異なる太い描線とシンプルな色遣い、しかしそれ故にものすごく自由で躍動感のあるカメラワークで、異常に見応えのあるアクション・シーンが繰り広げられる。絵を見ていて愉しい、という気分を存分に味わわせてくれる。
 迂闊にも知らなかったのですが、もともとはwebアニメとして配信されていたシリーズの前日譚にあたるらしい。それ故に、本篇だけ観ると、急にちょこっと出て来てそれっきり、というキャラクターがいてやや戸惑うのですが(特に水瀬いのりが声を当ててるナタ、ほんとに何しに来たんだ?)、大筋ではちゃんとこの映画のみで成立している。
 意外なほどストーリーは現実世界に寄り添っていて、そのなかで自然の象徴たる妖精達はどうやって生きていけばいいのか? というテーマで、同じ妖精同士が対立するさまを描く。妖精達の組織からはぐれた者と、人間でありながら妖精に近すぎる男、それぞれに接したうえで、シャオヘイはどんな生き方を選択するのか。ファンタジー的な世界観をベースに展開する特殊能力アクションが魅力ですが、その背後できちんとテーマも語っているのが実にいい。
 間口が広くて奥が深い、確かに良質のエンタテインメントでした。観ておいて良かった。
 しかし、人気が予想以上に高かったからなのか、パンフレットは売り切れ。バイクに乗る前に新宿バルト9に、帰宅後は最寄りのTOHOシネマズ上野にも問い合わせてみましたが、どこも売り切れの模様……公式サイトで通販をやってますが、そちらは発送が2月頃だそうな。少なくとも、映画感想の資料として使うのはもう無理だな……。

 鑑賞後は近場のラーメン店――ではなく、電話でつじ田 御茶ノ水店にテイクアウトを予約、寄り道をして引き取り、家で済ませました。いつものルートを少ずらすだけなので、いつか新宿帰りにも利用してみたかったのです。あまり待たずに済むのでほんとに楽……と言いつつ、きょうは来店を約束した時刻どおりに着いたら、提供のほうが遅くなりましたが、まあこういうのはお店で食べる人が優先でいいのです。

コメント

  1. […] 原題:“羅小黑戰記” / 英題:“The Legend of Hei” / 原作&監督:MTJJ /  […]

タイトルとURLをコピーしました