『クロサギ』#07

 金曜日はアニソンカラオケに出かけていたので、当日録画しておいたテレビ番組を本日より順次鑑賞。

 黒崎(山下智久)の今回の標的は、霊能力者を自称する神代(和泉元彌)。呪われた金を浄化する、と言って犠牲者の金銭を搾取するのを手口にしていた。黒崎は別の霊能力者を装い、商売敵として接触する。

 ――ドコノエセ『トリック』デスカ? なんだこのぐちゃぐちゃなシナリオは。霊能力者に商売敵として接触するなんてのは『TRICK』みたいなギャグ半ばした話でしか成立しない手段ですし、そもそも本名である黒崎の名義で偽霊能力者を演じるなんてリスクの高い真似をどうしてするのだ? 敵がろくに下調べもしない頭の悪い詐欺師だったから助かりましたが、素性を調べられたらこんな直接的な方法で戦ったりしなかったでしょう。隣に氷柱(堀北真希)がいると解っていながら、桂木(山崎努)との電話連絡を窓から顔を出して済ませるなんて馬鹿なことをして、氷柱に桂木との本当の関係を知られるきっかけを与えてしまう迂闊さも酷い。

 そして何よりいけないのは、黒崎に想いを寄せるゆかり(市川由衣)の扱いです。「いつでもご相談を」なんて言いつつ、間違いなく法に背く手段で立ち回っている黒崎の仕事を喧伝するゆかりの馬鹿さ加減も理解不能ですが、そんな彼女を放置する黒崎も迂闊以下というかあまりに程度が低い。この程度の頭脳で、よく今まで返り討ちに遭わなかったものだ。

 桂木役の山崎努の存在感は素晴らしいし、煩悶する氷柱を演じる堀北真希もいい。でも、その背景となるシナリオが無神経すぎてただただ苛立ちます――前々回あたりから紛れ込んできた人情噺も本来の主題と黒崎の信念と照らし合わせるとあまりにも不釣り合いで、ドラマの雰囲気を壊しているだけとしか感じられない。

 事件のテーマが『TRICK』を思わせても、その騙しの手口も解決の過程もレベルは『TRICK』を大幅に下回る。なんかもう、これは切ってもいいような気がしてきました。ほんとに山崎努堀北真希ぐらいしか観るところがないんじゃなー。

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