4月23日に、2020年9月リリースの『心霊曼邪羅26』を鑑賞。漫画家である投稿者と担当編集のビデオ会議の録画が収めた怪異《怨呪の神隠し》、廃墟探索で訪れた廃病院にて撮影された不気味な存在《廃病院廃墟》、投稿者の妻が深夜にしていた奇妙な行動を追うことから始まる前後編《悪魔祟り》など、全6篇を収録。
最初のエピソードに、このシリーズの悪いところが凝縮されてました。
リリースは2020年の9月、もう“リモート”という表現が定着した頃になんで“テレビ会議”という表現をしてるのか、とか、誰もマスクをしてないけどいったいいつ製作したのだ、という疑問を覚えるんですが、そんなことより引っかかることがいっぱいある。
まず、映像の中に映りこむ最初の怪異です。位置関係や現れ方からして、あれの本体があるとすればカメラの後ろにあるはずなんですが、投稿者は何故、ビデオ会議の相手の背後にいる、とすぐ考えたのか。漫画家なんですから、そういう位置関係は普通、直感的に理解出来そうなものなのですが、何故後ろにいると考えたのか。
そしてその後の展開、ネタばらしはしたくないのでなるべくぼかして書きますが、こういう事態になった場合、関係した人間が疑問に思わなければ行けないポイントが、ほぼ無視されているのが気になります。ビデオ会議の相手を巡る状況の不自然さは触れるくせに、同じくらいあり得ない出来事だというのに、なんで言及しないのか。
あと、この経緯だとすると、実は所在が解らなくなってる可能性があるものもあるはずなんですが、それについてスタッフが質問もしていないのが更にマイナス。所在が確認出来ていたとしても、更に不思議を強める点なんですから、触れるべきでしょうに。
別にフィクションであってもいいのですが、こういうドキュメンタリー形式にするなら、せめて少しくらいは真実味が欲しい。そのために、こういう出来事があればこの人はこういう反応をするはず、ここを疑問に感じるのではないか、という当たり前の部分がぽろぽろと取りこぼされているのがこのシリーズ、というか、姉妹編『心霊盂蘭盆』も含め担当している演出の弱点……はっきり言ってしまえば“拙さ”だと思う。
長篇《悪魔祟り》にしても、精神的に不安定な妻がいる、というのに不用意にスタッフを自宅に招く投稿者や、そういう状況ならある意味当然と言える騒動のあとで、場をきちんと仕切るべき演出がどー考えても軽率に行動してる、とか本筋以外のところで引っかかるところが多い。そもそもの映像が過剰に不気味すぎる、とかそういうツッコミがどうでも良くなるほどに。
この漫画家の仕事の仕方が気になる。[レンタルDVD鑑賞日記その942]
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