東京国際映画祭、初挑戦。

階段の下の案内板。 またギリギリになって指定席引換券が入手できました――残り物なので微妙なものばかり、と思っていたら、ちょっと興味のあったものが幾つかあったので、駄目でもともとと鑑賞に赴いてみました。そんなわけで二日連続の六本木、今回は訳あって電車にて移動。

 チケットの交換は10時からなので、余裕を取って出かけ、30分前に到着。さぞかし行列が出来ているだろう――と思いきや、予想外に並んでない。たぶん先行販売などで確保している人が多く、そうでない人は無理をせずにギリギリで来るつもりなのでしょう。しかしまあ、折角早く着いたので、指定席引換券の列に並んで待つ。

 10時に会場、何の問題もなく席を確保。やや拍子抜けの気分を味わいつつ、だいぶ時間が余ってしまったので、歩いて近くの本屋でも眺めることに。六本木ヒルズから間近に青山ブックセンターの支店があったので覗いてみる。実はこの系列店に入るのは初めてだったり。いきなり輸入書籍が並ぶ洒落た構成に戸惑いつつ、けっきょくいつもと代わり映えのしない文庫本2冊を購入して出る。更にぶらぶらと時間を潰してから、改めて会場へ。

 鑑賞したのは、東京国際映画祭内の企画・『animecs TIFF 2006』および『digital TIFF』のオープニングでもあり、同時にこの作品自体のジャパン・プレミアでもあった、筒井康隆原作・今敏監督・マッドハウス制作による超現実サスペンスパプリカ』(Sony Pictures Entertainment・配給)

 そんな趣旨だったために、期待などぜんぜんしていなかったのに、上映前に舞台挨拶なんかがあって、逆に戸惑いました私。登壇したのは今敏監督に原作の筒井康隆、そして時田浩作を演じた古谷徹の三氏。のちに司会のアナウンサーが語った通り、たぶん今年のTIFFの舞台挨拶中いちばん渋い面子でしょう。なんで林原めぐみを呼ばない。国際映画祭であるため通訳がいたのですが、そのことを忘れて古谷氏が長々と語ってしまったのを、時間をかけてちゃんと訳したり、司会者からの質問に対して「まったく別の話をします」と前置きをして本当に違うことを話し始める筒井氏とか、微妙に擽りがあってなかなか楽しいひと幕でした。何せ普通の試写会や上映会と違って、本当の映画好きしかいないようなイベントのために、挨拶開始前は異様なくらい静粛に開始を待っていたので、御本人たちはそうとうナーヴァスになっていたらしいのですが。

 そして肝心の作品のほうは――もう文句なしの大傑作でした。夢と現実の混淆していくさまを、圧倒的な映像の力で再現していく手管は見事。対照的なものを駆使したモチーフの扱いによって、物語自体も巧妙に束ねられていき、およそ収束困難に見えるクライマックスをちゃんとカタルシスへと昇華している。久々に林原めぐみの巧さも堪能できましたし、芸達者ばかりを集めた声優陣も秀逸。『時をかける少女』に並ぶ、いやそれ以上の今年度劇場アニメの収穫です――って、正式公開は年明けぐらいらしいので、これと並べるのは問題があるのか? ともあれ、詳しい感想は後日、ここらあたりに

 今日は夜からまたイベントがあるのでさっさと帰るつもりでしたが、途中で確認したいことがあるのをふと思い出して秋葉原に立ち寄る。ついでに観に行った店でDVDとCDを衝動買いし、ついでに秋葉原エンタまつり2006の抽選会に参加してきました。道中、『パプリカ』のチラシを寄越そうとする係員に「もー観てきましたから」と言いたくなるのを必死に堪える。抽選の参加賞である栄養剤を頂戴して、よーやく家に戻りました。

 さて、これから買い物報告と明日の更新の準備を済ませて、またお出かけです。

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