今回のクライアントは、政界の大物。胡散臭い霊能者まがいと関わりを持ちたくない、というナルの頼みで安原を影武者に仕立てたうえで、渋谷サイキック・リサーチの面々は現場に乗り込む。ウィンチェスター邸を彷彿とさせる、トリッキーな迷宮仕立ての邸内で、麻衣はいきなり鮮血の映像を幻視する……
相変わらずオカルト関係の描写の正確さに感心します。いわくが多いうえに長年無人であった館のなかがどれほど酷いことになっているか、というのはその手の話を知っている人でないと書けません。迷宮の趣向は粗筋に書いた通りウィンチェスター邸のようで、なるほどこれだけ条件が揃っていれば何が起きても不思議はない。
しかし、今回ちょっと勿体ないのは、サイキック・リサーチの面々はともかく、サブキャラクターのデザイン・作画がやや荒れていたこと。主要キャラでもしばしば体格が崩れていたのも事実ですが、なまじ顔がいくぶん簡素に作られているので余計に目についたのです。
話のほうは、これまででいちばん配分の優れたエピソードになっていました。いまさらながら麻衣やリンの背景にちらっと触れつつ、オカルトものならではの描写が派手に盛り込まれ、ホラーとしての精度も高い。あの次回への引き方はなかなかいやーなものがあって素敵です。
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