『ひだまりスケッチ』第7回 10月12日 嵐ノ乾燥剤

 体育祭の日、だがやや遅れてきた台風のために延期となり、明くる日も流れてしまった。宮子はやけにはしゃいでいるが、ゆのは不意に思い出す――宮子の部屋には、乾燥剤が敷き詰めてあるのだ。4人組は宮子の部屋に集まって、成り行きを見守る……

 校内の描写にて、珍しく4人組以外の生徒が登場してびっくり――ってそこで驚くのはどうだろう。和を以て貴しと為す4人組とは微妙に異なるキャラクターだったため、一瞬ではありましたがちょっと新鮮でした。

 このシリーズの上手いところは、微温的な日常描写のなかにぽつんと違和感を挿入して、それを1話、あるいは数話に跨る“芯”に応用できるところです。今回で言えば、荷物に入れられた手紙を読んだときの沙英の表情であり、忽然と顔を出す人物の扱い。最初の数話ほど巧みなリンクは駆使していませんが、通じる人には通じるこの趣向がいい。

 作画の実験性と、それで巧みに覆った省力化の手口も更に洗練されている。細かな作画には乱れがあるのですが、随所にいい表情や上手い間を挟んでくるので、ほとんど意識させない。ふだんはあっさりと済ませる背景なのに、今回は嵐のあとの不穏で、けれど清々しい空を表現して、物語の印象を深めています。

 それにしても、本編のメイン4人はいずれもいい味を出してますが、宮子は特に素晴らしい。なんで福引でそれを引き当てる。ていうかおまえ、投げたアレはどうした?!

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