『天保異聞 妖奇士』説二十三 印旛沼古堀筋御普請

 鳥居が手を尽くさせている印旛沼の普請は、住人や幕府、さまざまなところに軋轢を齎していた。普請のために病を患い苦しんでいる仲間を見かねた住人はどうにか事業を撤回させようと化物の噂を流そうとするが、江戸の人間は取り合ってくれない。ひょんなことから住人と出会ったアトルが、竜導を介して奇士に出動を請うが、鳥居と敵対する奇士の上の者は、妖夷の存在で普請がご破算となるのならむしろ望むところだ、と出動を認めないのであった……

 あ、やっぱり今月で終りなのか? と考えずにいられない急展開。積み上げが足りないので性急な印象は否めませんが、奇士たちと鳥居耀蔵一派との対立が生む本末転倒の状況、これまで密かに存在していた、アトルの異界への憧れという要素の結実……など、もっと時間をかけてやるべきだったんじゃ、というのがこの1話で急激に詰め込まれてます。さすがにやりすぎだ。

 なんだかえらいことになってしまったアトルが、たぶん残り2話でどうなるのか……ていうか本当に収拾がつくんでしょうか。そしてこのところマスコット化の著しかった宰蔵ですが今回ほとんど出番なしで、クライマックスにどー関わってくるつもりなのか。

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