『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』第10話

 先週、試写会参加のために録画のみしてあったエピソードをようやく鑑賞。いや、終盤だけは観てたんですけど、いちおうね。

 偶然に入浴中の瑞稀を目撃、女であることを知ってしまった中津は煩悶する。他方、ライバル・神楽坂の誘いで桃郷学園との合同強化練習に参加した佐野は、コーチとして参加しているのが父であることを知り、態度を頑なにする。神楽坂のレベル違いの実力を目にして焦りを感じながらも、自分を気遣う瑞稀のために平静を保とうとするが……

 しばらく前からこの話のもうひとりの主人公は中津なんだなー、と思ってましたが、今回は特に乗りまくってます。見方をバラ色に転換したあたりの妄想ぶりとか、佐野に事実を知っているのか訊ねるときの独り相撲ぶりとかが実にいい。「そんなの関係ねえ」は左右反対でしたけど。

 他方、男の子を装うことに一所懸命だった瑞稀が佐野への恋愛感情を自覚し、彼に対しては女の子らしい素振りを見せるようになったことで、恋愛物としての湿り気もいい具合に帯びてきました。中津も単独だとただの妄想野郎ですが、彼らと絡めるとちゃんとシリアスになる。寮生たちが全力でギャグに邁進するのと、うまい具合にバランスをとっているので、全体での雰囲気は変わらずにしかし緩急に富んだ話が構成できています。出来ればコメディ部分とシリアス部分をうまく融合して欲しかったところですが、まあそれはちょっと高望みしすぎでしょう。最後の告白でいよいよこじれていったところで、次回に続く。

 ……それにしても、この父親の遺伝子をどういじったら佐野兄弟になるんでしょう。並んでも親子には見えませんがなもう。

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