『点と線』を観た。

 昨日・今日と思わず『DQIV』に遊び耽ってしまったのですが、その傍らで観てました。途中風呂に入ったり、切れ切れにはしてましたけど。

 何というか、久々に重量のあるドラマを観た、という気分。四時間も尺があるので目一杯原作の趣向を再現していることもさりながら、時代的な意匠の再現性が素晴らしい。どうせ金をかけるならこのくらいやらないと、という意欲が感じられて清々しいほどです――少しやり過ぎて、実際よりも古びた印象があるのがちと勿体ないのですが。

 古いタイプの気骨のある刑事と、いつかエリートになるはずの若い刑事との交流と、あまりにも有名な“空白の四分間”を軸としたアリバイを巡る駆け引き、政治を背景としながらも人間の感情を織りこんだ複雑な犯行の動機などなど、推理小説の醍醐味を隅々まで味わわせてくれます。いわゆる社会派の嚆矢として知られる長篇が原作ですが、私には動機にも重きを置いただけで、紛う方無き本格探偵小説に見えて仕方なかったものです。今回鑑賞して、やっぱり本格推理だ、と再認識しました。

 変に薄めるような真似をせず、事件の背景も時代考証も緻密に行うことだけを志した、ほんとーに歯応えのある作品でした。

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