史上、最も疲れる点検でした。

 在宅透析に用いている透析機器は、定期的にクリニックから技師が訪問してきて、動作の点検を行ってもらうようになっています。
 透析液のバランスのチェックやフィルターを含め劣化しやすい部品の交換を実施するもので、これといった異常がなければ1時間前後で終了するものです。無人の家に立ち入ってやってもらうわけにはいかないし、説明を聞く必要が生じることも考えられるので、私もきちんと立ち会っていますが、基本的には見届けつつ、雑談で邪魔しているだけで気楽なものです。
 しかし今日は状況が違いました。
 透析中は定期的に血圧を測定、血液回路を流れる血液の圧力、濃度などの数値を記録表に書き留め、診察時に提出するのが患者の義務になっている。ずっと紙で行っていたこの手続をいずれデジタル化したい、という話はしばらく前から聞いていたのですが、本日はその設定作業も行われたのです。
 これが、実に難物だった。
 こちとら、プログラムの手入力は出来なくても、四半世紀近いPCの経験値がある。設定します、と言われ一部の機材を見たときから、こりゃ手間取るな、と予測していたら案の定でした。
 こちらのWi-Fiの設定も提供、この機器あるよ、とか、わざわざ専用のタブレット持ち込まんでもうちのタブレットにアプリ入れさせてくれればいいのに、とか言いつつ、解る範囲で協力して作業をしてましたが、まあ終わらない。ほとんどの機器を接続し、技師さんが持ち込んだタブレット(Kindle Fireでやんの)で透析機器との接続を確認する段階になって、どーやっても機器で計測したデータが入ってこない。最終的に、それ自体がWi-Fiの機能を持たない透析装置の通信を補うために技師が設置したルーター子機がきちんと我が家のW-Fiと繋がっていないのでは? と指摘して更に格闘を続け、何とか、よーやく接続出来た模様。この時点で技師さんの到着から2時間強。汗だくだったので、アイスコーヒーを2杯提供してあげました。
 しかし、接続出来た模様、と記した通り、まだ本当に使えるのかは確認していない。なにせ実際に透析をして、その際にデータのやり取りをしてみなければ、本当に繋がっているのかは解らないのです。これを書いているのはきょうの透析を準備し始める前なので、いまのところまだ確認は出来てません。とりあえず当面は、タブレットと並行して、紙で刷った記録表への記入も実施しておいたほうがいいかなあ。

 ……で、現在、透析開始から小一時間ほど経過してから追記しております。
 透析記録のデジタル化は、いまのところうまく行っているように思えます。施術前の血圧データの取得に成功、その後の透析開始、途中の血圧、脈拍の測定もきちんと取得出来ている模様。
 ただ、記録を取る、と言っても一部で、透析中の静脈だったり、体温などは記入出来るところがない。情報の正確さを確かめるためにも、しばらくは紙での記録も必須になりそうな気がします。
 あと、なんでか知りませんが、血液の濃さを示すBVの値が転送出来ず、透析機器の操作パネルに差したUSBに転送、それをタブレット端末に読み取らせる仕組みになってるのもなんか釈然としません。業者がここだけ規格が特殊すぎる、みたいなことを言っていたらしいんですが、USBを経由する理由になってない気がする……まあ、大した手間じゃないからやりますけど、やりますけど。


 ここからは日付が翌日に変わってのちの追記。
 いちおう無事に透析は終了。近ごろ、ときどき何かが詰まるのか、静脈圧が上がりすぎてなかなか進まないこともありましたが、きのう今日は大変順調。そしてデータ送信の方もどうやら無事に出来たらしい。タブレットにて、専用アプリで透析終了のボタンを押し、透析終了直後の血圧を機器から読み出し、透析後の体重を測って入力すると、看護師らしきイラストが出て終了……最後のは何だ?
 ただひとつ、患者側で別途実施して欲しい、と要請のあった作業がなぜか出来ない。
 上にも記したように、透析中の血液の濃度がどこまで薄まったかを計測したBVの値が、そのまんまではサーバに送られないとのことで、機器に差し込んだUSBにコピーし、それをタブレットに差して、そこからサーバに送って登録しなければならない。
 まず、技師さんが透析装置に差したまんま置いていったUSBが読み取れなくなってる。触ってみて納得しました――激熱でした。いったん抜いて差し直し、認識したところで機器の操作パネルにてデータをコピー。それから指示通り、タブレットにUSBを移す。
 ……マニュアルにある、データ転送の項目そのものが見当たらないので、送信しようがありません。
 恐らくはクリニック側で設定をしていないためにこうなっているか、技師さんがどーにかタブレットが繋がったのに安心して、ここの手続を完了させていなかったのかも知れません。いずれにせよ、ここのくだりはマニュアルにも“技師が設定する”とあったので、私にはどーしようもありませぬ。
 まあ、データ自体はUSBにコピーしてありますし、この趣旨だと、後日に送信してもたぶん他のデータと正しく紐付けられる。クリニックは土曜日も営業しているので、明日の日中に確認することにします。
 ……どう考えても私のせいではないはず。でもなんだかモヤモヤするのでした。ほんとに、なんでBVだけこんな作業が要るのよ……?

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