このメンバーが同じステージでひとりを想って演奏する奇跡。

 当初、今日は映画鑑賞の予定は入れてませんでした。夜には毎月恒例の酒林堂チャンネルによるオンライン飲み会もどきがあるので、おつまみの買い出しだけ行くつもりでいた。
 代わりに土曜日に出かけるつもりでしたが、しかしどうも格別に観たいものがない。唯一、気になっている作品を観に行こうか、と思ったら、劇場はTOHOシネマズシャンテ……おつまみを買いに行くつもりでいるのは日比谷シャンテ内の日比谷しまね館。今週中に2回行くの? となんか釈然としない気分になった。しかもお目当ての作品は、初週である今週はいちばん大きいスクリーンですが、週末にはちょっと、ちょっと小さくなる。内容的に、これは大きいスクリーンで観ておきたい。で、昨晩急遽決意して、チケットを確保しました。
 ただ今回、若干慌ただしい。映画が11時半から13時20分、いちおう酒林堂チャンネルを観つつ透析もする予定なので、早めに家に帰っておきたい。映画のあとに食事をすると混雑しだいでだいぶ帰りが遅れますし、映画の前にしまね館でつまみを買う場合、冷やすものがあると映画に集中出来なくなる。なので、映画の前に昼食、鑑賞後に買い物、がベストと思しい。
 時間がないときは食事で冒険などせず、要領が解っているところを使うに限る。もう何度となく利用している日比谷ラーメンアベニューに開店即駆け込み、ふくもりの中華そばに海苔をトッピングしていただく。つけ麺とか夏季限定メニューとかだとタイムロスの危険があるので、オーソドックスに限ります。思惑通り、20分には食事を済ませ離脱できたので、上映開始までに余裕で着席できました。
 鑑賞したのは、ジョージ・ハリスンの氏の1年後、盟友であったエリック・クラプトンが呼びかけ催された追悼コンサートと、その演奏を音源化するためのレコーディングの模様に一部出演者へのインタビュー映像を加えて製作された音楽ドキュメンタリーコンサート・フォー・ジョージ』(Culture-Ville LLC配給)
 とにかく出演者が凄いのです。クラプトンはむろん、残るビートルズメンバーのポール・マッカートニーにリンゴ・スター、当時も密接に関わったビリー・プレストン、それにソロ活動をプロデュースしたエレクトリック・ライト・オーケストラのジェフ・リンらも参加し、更には晩年のパートナー、オリヴィア・ハリスンとの子供で若いジョージに生き写しのダニー・ハリスン、更にはジョージが愛したモンティパイソンのスペシャル・ステージに、トム・ハンクスが加わっていたりする。
 もはやステージそのまんまでもいいんじゃ、とも思うのですが、残念なのは、幾つかの演奏で途中からインタビューが被ってしまうのが勿体ない。それぞれにジョージ・ハリスンとの繋がりと想い出を語っているので、ドキュメンタリーとしての意味はあるのですが、演奏が良すぎるからぜんぶ聴かせて欲しかったのよ。
 ただ、それでも邪魔の出来なかった演奏が素晴らしい。特にポール・マッカートニーのくだりと、クライマックスの『While My Guiter Gently Weeps』は凄い。とりわけ後者、ポールにリンゴ、ビリー・プレストンをバックに、オリジナル・レコードでもギターで参加したエリック・クラプトンがギターを泣かせながら歌う姿は圧巻。コンサート自体、長年の親友であったクラプトンが企画したものだそうですが、その想いが痺れるほど伝わってくる。
 出来れば出演者それぞれの初登場時で名前を、演奏の始まりには曲名をテロップで出して欲しかったですが、ピートルズ時代はあまり正当に評価されていなかった感のあるジョージ・ハリスンの楽曲の良さと、彼がどれほど仲間たちに慕われ愛されてきたのかが感じられる作品。

 鑑賞後は予定通り日比谷しまね館にて、夜のつまみを数点購入して帰宅……移動はそんなにしてませんが、猛暑のなか時間に追われて動いていたせいか、やたらと疲れました。仮眠からすぐに起きられず、そのあとの準備までバタバタしてましたよ……。

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