『ARIA the ORIGINATION』第10話 その お月見の夜のときめきは…

 史上初の飛び級でプリマへと昇格したアリスの勇姿を見届けに行った灯里と藍華だが、本格的な仕事が初体験であったアリスはどうしても硬くなってしまい、初日終了と同時に落ちこんでしまう。そんな彼女を励ますべく、灯里達はお月見を提案するのだった。藍華は星絡みのイベントだからとアルも招くが、仕事の都合で遅れてしまった彼を迎えに行くが……

 前回が第4話に次ぐ完成度だったせいもあってどうにも緩い印象ですが、しかしそれでも平均値は異様に高い。物語としての展開以上に、お団子を持って月やアリア社長のもちもちぽんぽんに翳してみるあたりとか、アルを迎えに行った藍華がお馴染みの台詞を口にしたくても出来ないくだりとかの表現が素晴らしい。

 そしていちばん肝心なところで全力を注ぎ込むあたりも相変わらず。井戸に転落した藍華とアルの微妙な空気の表現、恥ずかしがるところからアルの長広舌に呆気にとられ、と目まぐるしく変わる表情を丹念に描いていて、映像的な見応えは充分。如何せん先行する2話は完璧にアリス主体のエピソードだっただけに、藍華の魅力をここで炸裂させてくれたのはただただ嬉しい。そして、このところ妙にねじくれたアニメばっかり観ていただけに、ストレートに恥ずかしい話がやけに楽しかったのでありました。

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