『パズル』Piece9.

 例によって娘達に唆されて、鬼喰村というところの祭りで行われる宝探しに参加することになった今村たち三人組……そして毎度ながらそれを嗅ぎつけて、三人を手脚に目を血走らせる鮎川。最初の暗号を首尾よく解き明かして意気揚々と隠し場所に赴いた鮎川たちだったが、鬼の面を被った男たちに襲撃される。実は村では、村おこしを推進する若者たちと、客寄せ行為に否定的な長老派の対立が生じていた。祭の主催者たちは参加者に危険が生じていることを重んじて祭を中止するが、途端に関係者の死が相次いで……

 ……そういやこの鮎川って、見た目は若いけど実は30過ぎ、という設定があったはずなんだよ。何か役立てたことってあったか? 今回やたら山登りの最中にへろへろしていたのを見て思いだしたのですが、せいぜいその程度なんだよなあ。

 それにしても、どうもこの話って面白くない。いちばんいけないのは、きっかけがワンパターンなのに、そこにまつわる主要登場人物たちの言動に説得力がないこと。毎度のように騙されて、名門校通いという知性を一向に感じさせない三人組もそうですが、三人を使って宝を見つけ出させて横取りしようと、毎回失敗しても懲りずに繰り返す小娘たちの脳味噌も理解不能。繰り返すなら、そこに何らかの必然性や、コメディとしての連携を用意しなければ、話はいつまで経っても面白くならないのです。脚本家にそういう構成力がないのは仕方ないとしても、演出や俳優側でもそれを面白くするための工夫を試みていないのは駄目すぎる。同じ日に、この点で充分な工夫の認められる『キミ犯人じゃないよね?』をやっていただけに、余計に駄目さが際立っているのです。

 そして、相変わらず事件の説得力のないことったら。別に鮎川でなくてもまともな警官なら気づきそうで、しかも事後処理が拙くて普通ならうまくいくはずのないトリックばかり。犯行動機と、なぜ今このタイミングで実行しなければならなかったのか、もまるでリンクしていないので、どれほど切実で悲しい真相を持ち出されても、ぜんぜん沁みません。要素の幾つかは悪くないのに、組み立てが無茶苦茶なのでまったく活きていないのです。

 ……何となく、脚本の駄目さ加減にスタッフもやる気を失ってしまったような感じ。残すところあと1回ですが、結局水準に達したのって1話ぐらいだったなあ……。

 ちなみに、作中で登場する神社、エンドロールには名前が明記されていませんでしたが、ネットで調べてみたところ、静岡県御殿場市の二岡神社というところらしいです。滝とかはぜんぜん違う場所なんですが。

コメント

  1. 冬野 より:

    二岡神社でしたか、ありがとうございます。
    今の入稿作業が終わったら、ちょっくら行ってくることにします。

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