広野の城に蟄居するスタインベック三世。各国の情報を握り、革離生活を許される彼を秘密裏に始末するべく、イギリス諜報部は有能な第三者としてゴルゴを暗殺者に雇い入れる。城には郵便配達しか接近を認めておらず、外出は週に一度、防弾処理を施した車と、イギリス諜報部の警護を受けている。この厳戒態勢を乗り越えて、ゴルゴは如何に任務を果たすのか……?
今回はなかなか。このシリーズのらしさが短い中に詰まった、いいエピソードでした。プロローグで国家間の裏の駆け引きを匂わせ、そこからゴルゴ以外には攻略困難な状況を設定、派手な銃撃戦を盛り込む一方でゴルゴの謎めいた行動を描き、最後のどんでん返しに持っていく。前回のような不条理感まではさすがに盛り込めないまでも、他の主立った要素は見事に入っていて噛み応え充分。
最初のころは気になっていた、随所で甘くなる作画も、ここまで来ると味に感じているから妙なものです。相変わらず2Dの背景に重ねた車の3Dによる作画が浮いているのですが、しかしそれでもだいぶこなれてきたのも確か。全体に、できることとできないこととを理解してやっている雰囲気がはっきりしてきたお陰で、だいぶ安心感の持てる出来になってきたようです。
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