撮影者への気遣いは評価したいが。[レンタルDVD鑑賞日記その820]

 6月11日に、2023年2月リリースの『心霊闇動画74』を鑑賞。公園で遊ぶ子供の姿を追うカメラが捉えた奇妙な存在《遊び場》、動画配信者がいわくつきの場所を深夜に訪れて撮影してしまった恐怖《ため池》、茶道教室開催のための内覧に赴いた人びとを襲う不可解な出来事を追った《茶道教室の会場》およびその続篇など、全7篇を収録。
 先の『ほんとにあった!呪いのビデオ99』と一緒に届いたこれもようやく鑑賞出来た1本。なんでこれだけなかなか出て来なかったのやら……。
 人気でなかなか届かないのかな、と想像し、ちょっとだけ期待はしてましたが、まあいつも通りでした。このところまるでそれが恒例になったかのように冒頭は家族が子供を撮したホームムービーだし、それも含めて映り込むのは足首、手、頭、そして人影、とパターン化しきっている。投稿映像のアプローチが単調になるのは、投稿だからしょうがないかぁ、で済みはしますが、取材のくだりがほぼインタビューのみで単調になるのは話が違う。
 このシリーズとしては珍しく前後篇で綴られる《》だけは、撮影場所を探り出そうという意思を覗かせてますが、最初は投稿者が撮影場所を知らない、という理由でぼかし、意外な展開から肝心の撮影者に辿り着くも、けっきょく取材には行かない。前後篇にしただけあって、インタビューのみでもそれなりに展開はありますし、興味深くはあるのですが、やっぱり物足りなさは否めない。取材対象の心情に寄り添う、という意味では正解なんだけどさあ。
 このシリーズとしては力作の部類に入るとは思う、けどけっきょくはワンパターンでさほど心は躍らず。ただ《ため池》だけは、シチュエーションも映り込みもありがちながら、タイミングが素晴らしすぎたので、これはこれで評価したい。そんな都合のいい怪奇現象あんまり見たことないぞ、と思いながらも、正直、いちばん来て欲しいタイミングで現れるから、気持ちよくすらあった。

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