『ひだまりスケッチ×365』1月10日、おかえり…うめ先生

 正月、実家に戻っていたゆのがひだまり荘に帰ってきた。実家で自堕落な日々を過ごしていてすっかり怠け癖がついてしまった一同は、景気づけに初詣に赴く。吉野屋先生も誘って訪れた神社に、実は夏目もいたりするのだった……

 第2期最終回……なんですがそんな気負いが全然ない。OP最後の記念写真が全員勢揃いになったことぐらいで、あとは基本いつもとやってることが同じです。却って凄いわ。

 そして、いつもと同じ、というためがあるから、最後でゆのの台詞が効いている。実は、個人的に最終回は、原作では最後まで描いていたはずなのにアニメでは中途半端で切っていた文化祭の後半を持ってくるのでは、と踏んでいたのですが、このシリーズの最終回にはこのさり気なさと優しさのほうが似合っています。第1話序盤では疎外感を覚えていたゆのが、最後の最後でこの台詞を言うからこそ、シリーズとしてちゃんと閉じる。

 締め括りは、このシリーズ特有のパターンを援用したサービスシーン……なのか? 4人揃っているところでは思わず食い入るように観てしまいましたが、あれでも色気はいまいちなのでその意味でサービスと言えるのか。いやまあ、第1期から観ている人間に対してはちゃんとサービスになっているのは間違いないのですが。

 せっかく提示していた謎にもあんまり明確な答は出さずじまいでしたが、なんかそこに対してはほとんど不満を覚えていなかったり。こういう風に、あえて時系列を乱して綴っている作品の場合、それ自体がネタとなっていないのなら、放り出したまま観ている側が勝手に気づくぐらいのほうが心地いいのでしょう。そうして、繰り返し楽しませてくれるのがアニメ版『ひだまりスケッチ』の良さです。

 というわけで存分に楽しませていただきました。そして3期があるにせよないにせよ、それまではDVDとか録画データとか繰り返し鑑賞して更に味わうつもりです。

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