『Dr.HOUSE Season2』第6話 不正行為

 自転車競技のスター選手ジェフがチャリティ・レースの真っ最中に呼吸困難に陥って昏倒した。ジェフは血液ドーピングを告白、ハウス医師はそこから空気塞栓が原因と特定し、あっさり完治するかに見えたが、チェイス医師が処置しているとき、ジェフの筋力が急速に低下した。チェイス医師のミスでなければ、いったい何なのか……?

 患者の治療と並行して描かれるのは、ハウスと前妻で現在病院の弁護士を務めているステイシーとの複雑な関係と、不正に対してやたらと厳しいキャメロン医師の胸中。あまりに輻輳して描かれているので、なんか知らんが大変そうなのは伝わってきます。たぶんシリーズが続く限りまとめる気はないんでしょうが、そのうち少し整頓してくれないと本筋を妨害しかねません。

 本筋である病因のほう、例によって専門用語ばっかりなんですが、それでも決着がとても鮮やかに映るのは、伏線がものすごーくあからさまに仕掛けられているから。ああ、それで! と素人でも意外性を実感できる。丁寧にリサーチをして、どういう風に語っていけば意外性に繋げられるか考慮しているからこそのカタルシスが素晴らしい。

 ちなみに作中で存在感を示す、ジェフのマネージャーを演じているのは、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』でベンジャミンの義理の母親を演じてオスカー候補になったタラジ・P・ヘンソン。あの母親とは違う意味で押しの強い女性を、ぜんぜん違う雰囲気で演じていて、出番は多くありませんが達者さは歴然としてました。やっぱり今後要注目だな、この人。

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