レンタルDVD鑑賞日記その72。

 カトリーナの被害者特定のためにニューオーリンズの屍体安置所を手伝っていたブレナン博士が、ある日、滞在先のホテルにて、満身創痍の有様で目醒めた。どういうわけか直前2日ほどの記憶を失っていた彼女は、心配して駆けつけたブース捜査官と共に、空白の2日間の行動を洗い始める。その過程で、惨殺された屍体が発見され……

 ブレナン博士がとうとう容疑者扱いされる、という内容。そこに、彼女が決して信じるはずのないブードゥー教の儀式や呪いを絡めて、いつも以上にミステリアスな雰囲気で話が運びます。

 このシリーズは毎回、視聴者の意識の死角に犯人を置くよう仕組むのも特徴ですが、今回は特にひねりが利いていて、45分程度とは思えないくらい濃密。他ならぬブレナン自身が、記憶を失っているために自分自身に疑念を抱いている、しかも怪しげな材料がちりばめられているために、クライマックスまで緊張感が続き、予断を許さない。

 ブレナン博士の言葉に反し、結末で迷信めいたものにいささか屈してしまったような印象をもたらすのがちょっと引っ掛かったのですが、シリーズらしさを残した異色作でした。

    • 第20話『移植された悲劇』

 ブース捜査官の上司の孫娘が、骨芽腫を患い入院した。アスベストを吸った結果発症することが多い病だが、孫娘の行動範囲内に問題はない。しかし偶然に彼女を訪ねたブレナン博士は、昔彼女が骨折し、その際移植された骨が病原となっている可能性を指摘する。もし、病原体となりかねない骨をわざと移植したとすれば、それは殺人と言ってもいい。既に孫娘は手遅れだったが、これ以上の犠牲者を出さないために、ブレナン博士たちは懸命の調査を行う……

 なんか冒頭の雰囲気が『Dr.HOUSE』みたいでした。それ以降もしばしば病院が舞台となり、病名が頻出したうえ、締め括りも結構きついので余計そんなイメージです。

 しかし今回変わっているのは、主要キャストが一丸となって事件に臨んでいること。しかも当初はFBIの管轄になるかという保証もないため、ブレナン博士たちは勝手に動き回り、ブース捜査官に至っては事件が州境を超えて連邦捜査官の担当になるまで、病欠扱いで活動している。ホッジンスとザックが言い争う場面もなく、これまでに築きあげた絆がいい形で活きている点、シリーズ終盤に差しかかっての集大成という意味合いも籠もっているのかも。

 移植された骨から感染する病での大量殺人、という異色のテーマに、しかしシリーズ特有の流儀で終始臨み続ける、これも異色作のようでいて、第19話よりはシリーズのらしさが光る話でした。事件の顛末そのものには救いがないのですが、『Dr.HOUSE』と較べるとまだ人情を感じさせる、ほのかに暖かい締め括りも良し。

 さあ、第1シーズンも残すところあと2話、DVD1枚となりました。ようやくブレナン博士の家族の話に決着がつく……はずなんですが、どうなんでしょう。わりとすぐに第2シーズンに突入していたようなので、暈かして終わっているかも、と不安を抱きつつ、なるべく早く借りて鑑賞する予定。

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