台風に気を遣いつつ人体の神秘を眺める。[午前十時の映画祭(54)]

 今週こそ、少し間隔を空けて鑑賞したかったのですが、台風の襲来により週半ばが雨の予報で埋まってしまい、やむなく見送っているうちにとうとう週末に……けっきょく今週も、木曜から日曜日までみっちり映画館通いを続ける羽目に。いくら好きでやっていても疲れるので、そろそろスケジュールを考えないと……。

 どうやら関東からは遠ざかったとは言い条、まだ今日いちにちは台風の影響が懸念されたので、自転車は家に置いて、電車にて移動。出かける頃には雲は切れ始めていましたが、油断は出来ません。

 今週はTOHOシネマズみゆき座の《赤の50本》から押さえてきました。のちのSF映画に多大な影響を及ぼした伝説的作品ミクロの決死圏』(20世紀フォックス配給)。これも恐らくは初見のはずです。仕掛け自体は手垢のついたものだし、時代が時代であるだけにいま観るとツッコミどころだらけだろうな、と思いつつ観ていたのですが――いや、正直そんなことはどうでも良くなる完成度でした。小さくなって人体の中に潜りこむ、という設定のあちこちに無理は目立つものの、当時に解る範囲で人体の内部を再現、そこを壮大な迷宮として捉え、危機また危機の冒険活劇に仕立ててしまった手腕は見事。いまではお馴染みの趣向であっても、そこに着想したこと、ディテールを緊密に組み立てて最後まで引っ張っていったことは賞賛に値しますし、いま観ても充分に面白い。恐れ入りました。

 鑑賞後、劇場の外に出てみると――快晴。風も穏やかで、気温もほどよい。これなら自転車で出かければ良かった、と少々後悔しましたが、まあ今日は仕方ない。明日、明後日のために体力を温存したと捉えることにします――明日はともかく、明後日はけっこうハードな道程なのです。

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