“裏スパルタンX”であった。

 TOHOシネマズの1ヶ月フリーパス期間中なので、毎日利用するのは無理でも、出来る限り観たいものは落とさないようにしたい。ロングランを続けていたのでずーっと先送りにしていた作品が、来週いっぱいでとりあえず最寄りのTOHOシネマズでの上映は終了となるようなので、取り急ぎ押さえてまいりました。

 劇場は、『127時間』のとき以来のTOHOシネマズシャンテ。目当ての作品は地下1階のスクリーンで上映されるのですが、こちらに入ったのは1年振りぐらいでした。なるべく初日に押さえようとすると、いちばん収容人数の多い一番上のスクリーンに行かされることが多く、結果地下のスクリーンとはご無沙汰になってしまったようです。

 作品は、『バベル』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督最新作、スペインを舞台に、死を目前にした男性が家族や自分を頼る人々に何かを残そうと足掻く姿を描いたBIUTIFUL ビューティフル』(PHANTOM FILM配給)

 多人数視点の混在するスタイルを好んで多用してきた監督としては初めて、ひとりの人物を中心としたドラマ。とはいえその重厚な語り口、美しい映像と奥行きのある描写は健在。フィクションではありがちな、死を間近に控えた人物の物語ですが、この作品の成り行きはあまりに重い。それでも何かを残そうとする姿が無様でも尊く、救いは乏しいながらも清々しい余韻を残す名品。

 それにしてもこの作品、ついこのあいだ鑑賞した『スパルタンX』と同じスペインはバルセロナを舞台にしているのですが、あまりに対照的で苦笑します。中国人移民も登場していて、彼らの姿とジャッキーたちの姿とを比較すると、もー何と言っていいやら。

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