ちかごろ木曜と日曜は共通の用事で出かけていますが、諸般事情から今週は変則的になってます。今日の分が前倒しになり、珍しく1日自由なのをいいことに、夕方から出かけて映画鑑賞……ただし、第1候補に考えていた作品は、出発前に腹痛で出遅れてしまったので、第2候補に切り替えました。
本日の行き先は、ビックカメラ有楽町店の上にある角川シネマ有楽町。『シュガーマン』以来なので半年ぶり、ですが1スクリーンのみの劇場ですから、そんなに間が空いていない部類です。ここでは現在、『ローマでアモーレ』の映像ソフト版発売を記念して、ウディ・アレンの1990年代頃から近年までに発表した10作品に、アレンを題材としたドキュメンタリー『映画と恋とウディ・アレン』の全11作品を、毎日4本ずつ上映する特別企画『We Love ウディ・アレン』というのが実施されています。私が観ていない作品も多数含まれているので、機会があれば足を運びたかったのです。
私が鑑賞したのは、本日3本目に上映された1995年の作、養子に取った子供の母親を“理想的な人物”に仕立て上げるべく奔走する男の姿を一風変わったタッチで描いた『誘惑のアフロディーテ』(松竹富士*1配給)。
スケジュール的にタイミングがぴったりだったからこれにした、というだけだったんですが――これ、ものすごーく好き。人を食った映画的な表現にあけすけだけどギリギリでちゃんと品性を保った洒脱な会話、そしてモチーフとする悲劇を巧みに仄めかす語り口と、本能的な部分と知的な部分を細かに刺激される感覚が実に楽しい。フィルムの状態がやや悪いのが残念でしたが、映画としては極上。……でもやっぱり、こういうのは恵比寿ガーデンシネマあたりで観たかった。角川シネマ有楽町は立地もラインナップも嫌いじゃないんですけど、ウディ・アレン作品とガーデンプレイスの風景の相性の好さにはどーしても及ばない。
ちなみにこの『We Love ウディ・アレン』、スタンプラリーを実施していて、5作品鑑賞するとウディ・アレン作品のDVDが1枚貰えるそうです。ぶっちゃけ、好きな作品が欲しいだけなら、5本観るよりDVDだけ買った方が遥かに安上がりなんですが、ウディ作品を買うことまではしていない私としては多少なりともモチベーションになる。というわけで、可能ならあと4本は観ておきたいところ。可能ならね。
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