とにかく観たい作品を1本でも多く消化したい、と念じている私は、一般公開中の作品をあえて2回以上映画館で観る、ということは、特別な事情でもなければしない方針です。しかし、初日の舞台挨拶は押さえられず、悔しい想いをした作品の大ヒット御礼舞台挨拶がある、というのは間違いなく特別な事情に該当する。気づくのがちょっと遅かったんですが、作品じたいは2度目の鑑賞ですし、登壇者が近くに見えなくても、生で観ることに価値があるので、今ひとつの座席でも構わず押さえてしまいました。
登壇者は、灯里役の葉月絵理乃にアリシア役大原さやか、アリア社長役の西村ちなみ、そして監督の佐藤順一。入場の際の音楽がかからなかったり、流れたと思ったらループしない、といった地味なトラブルもありましたが、それもまた一興。
初日も何度か舞台挨拶をしているらしい皆様、既に定番の流れが出来ているようで、それぞれのキャラの印象的な台詞を引用するなか、佐藤監督が悩んだ挙句、映画が初登場のアーニャの台詞を真似して笑いを誘います。どうやら挨拶のたびに繰り返して、ネタが尽きたらしい。
ファンにとって記憶に残る作品ですから、キャストやスタッフにとっては尚更想い出深いようです。お気に入りの場面は、と司会に問われて挙げたのは終盤、テレビシリーズのクライマックスから引用したくだりなのですが、あのシーンは「台本を読んで泣き、自宅でリハーサルをして泣き」という有様だったとか。この場にいない晃役の皆川純子は「本番なんか無理」とまで言っていたようですが、けっきょくスタジオでも泣いてよし、で録ったとか。
佐藤監督によれば、問題のシーンは当初想定していなかったらしい。新作の構想にあたって、原作者の要望や、実はテレビシリーズ終了後に発表するあてもなく原作者が描いていた後日談をベースにすることは決めていたものの、テレビでもそうしていたように自然に任せて脚本を用意していたら、自然とあの流れになったのだとか。終了後これだけ経っていてもスタッフに「勝手に動く」と言わせてしまうあたり、この作品にはまだそれだけ力があるということなのでしょう。
映画自体がブルーレイボックスの発売に合わせて製作された新作で成り立っていますが、このリリースに合わせてネットラジオも復活するのだとか。「言えば実現するから」と言って、キャストが作中に登場するケット・シーのペンダントとか、冒頭でカモメのかぶり物を被っているアリア社長をそのままぬいぐるみにする、とか自らの願望を口にして、製作サイドの方である司会を困らせていました――でもペンダントは鋭意製作中だそうです。アリア社長のかぶり物ヴァージョンも夢ではないかも知れない。
劇場版は好評につきまだ続映予定、4週目にも入場者プレゼントとして3大妖精をあしらったミニ色紙が用意されるそうです。キャスト、スタッフ共に、もしかしたら次があるかも、という期待を匂わせたコメントで締めくくっていましたが、実現するかどうかはともかく、そう思わせる実在感と、観る者を和ませる暖かさがこのシリーズの魅力なのだ、と改めて実感。
上映時間が早めでしたので、例によって大つけ麺博に立ち寄り、更にハシゴもしているのですけど、混ざるのが嫌なので、記事を切り分けます――というか、明日付に回します。どうせ連休は遠出する予定ありませんから、ネタは発生しないだろうし。
なお、映画本篇の感想はこちらへどうぞ。
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