本年度100本目は、第29回東京国際映画祭コンペティション参加作品『雪女』舞台挨拶およびQ&Aつき上映……のついでに大つけ麺博。

EX THEATER ROPPONGIにて催された『雪女』舞台挨拶フォトセッションの様子。左から山本剛史、宮崎美子、青木崇高、杉野希妃監督、山口まゆ、佐野史郎。 25日より、第29回東京国際映画祭が始まりました。当初の予定ではきのうが私にとって初めての参加になるはずでしたが、色々あって断念せざるを得なかったため、2本目になるはずだった本日の作品が、私にとって最初の1本となりました。

 劇場は、初めて訪問するEX THEATER ROPPONGIです。若干戸惑いましたけど、落成がけっこう最近の劇場、ということもあって、清潔感はあるし、アクセスも整理されている。強いて言うなら、六本木ヒルズとは通りを挟んだ斜め向かいに位置し、導線が若干解りづらいのが気になりましたけど、まあそこは慣れでしょう……果たしてまた来るのか不明ですけど。

 鑑賞した作品は、『マンガ肉と僕』『欲動』の杉野希妃監督最新作、小泉八雲の再話で世界的に知られる日本でも特に有名な“怪談”を、新しい解釈で描き出した『雪女』(和エンタテインメント配給)

 監督の名前ぐらいしか知りませんでしたが、八雲の『怪談』をベースにしている、と聞いて興味を持ち、どーしても押さえておきたかった。舞台は、八雲が語っていたよりも現代寄りに設定され、中心人物の周辺に違った肉付けをしていますが、基本的な精神、哀切な美しさをきちんと再現している。そこに、現代と過去、自然と文明、生と死といった境界を繰り返し越える感覚を織り込んで、儚さ、危うさを描いている。そこまで曖昧にしなくても、という部分も散見されるので、手放しでは褒めづらいのですが、美しく見応えのある作品でした。

 本篇上映前に監督および主要キャストによる舞台挨拶、上映終了後には監督と青木崇高によるQ&Aが催されました。詳しい内容はたぶん東京国際映画祭の公式サイトあたりに掲載されているので省きますが、Q&Aと言い条、最初に差された方が喋りすぎてけっきょくひとりしか質問できなかった、というのはこれ如何に……まあ面白かったからいいんですが。撮影時、監督は雪女ばりに雪を降らせていたそーで、出演者はみんな若干おののいていたようです。

 なお、この作品は来年あたりに劇場公開される予定のようです。なかなか端正で見応えのある作品でしたので、気になる方はお楽しみに。

 実は、これが私にとって今年、劇場で観る100本目の作品です*1。結果として、10月の小泉八雲づくしの締めくくりにもなりましたし、イベント的にも盛り沢山だったので、これが区切りに来てよかったのかも。

中華蕎麦 とみ田の10年目の豚骨魚介、味玉トッピング。 鑑賞後の昼食は、2日連続でうどん店――というのも変なので、地下鉄を乗り継いで新宿まで足を伸ばし、今年6回目となる大つけ麺博で摂ることに。なにせ昼から雨が降り、だいぶ冷え込んでいましたから、たぶん空いているだろう、という見込み通り、並ぶのは楽でした……傘を持ちながら受け取るのがちょっとしんどかったのですが。

 今回選んだのは、この大つけ麺博のなかでも随一の人気店、中華蕎麦 とみ田の10年目の豚骨魚介、味玉トッピングです。

 ……もう、王者の貫禄、としか言いようがないです。柔らかで風味のある麺に、つけ麺と言ったらコレ、というくらいベーシックになった感のある濃厚な豚骨魚介スープがよく絡む。重いのですが決してクドくはありませんし、柚子の薬味も利いて最後まで飽きずに食べられる上、食後にもらうスープ割りが特にいい。食事がちょっと遅めになって腹が減っていた、というのもあるんでしょーけど、貪るように食べてしまいました。会期中、あと1回は会場を訪れる可能性があるんですが、下手をするともう1回ここを選んでしまいそうなくらい、文句のない美味しさでした。

 それにしても今日ほどこのイベントに不向きな日はなかった。スープ割りを貰いに行ったら、「寒いなかありがとうございます」と言われましたし、とみ田以外の店舗は列さえ出来ていないところがほとんど。狙い通りに空いてはいましたが、どうにも心苦しかった。

*1:タイタンシネマライブといったイベント上映も含む。

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