……面白かったよ?

 今年のフジテレビ27時間テレビはお笑い路線から離れ、スタジオ収録にて“にほんのれきし”をテーマにする、というのが発表されたときは、私も不満でした。あのいつどこから入っても構わない、独特のゆる〜い進行が、夏にはしっくり来ていたので、お笑い路線を離れる、というのがいまいちピンと来なかったのです。

 なので正直、最初のうちはチェックする気もなかったのです。しかし、裏で観る番組が特になかったりすると、なんとなくチャンネルを合わせてしまったりしているうちに、印象が変わってきた。正直、すごくいい、と認めざるを得ない。

 歴史をバラエティ的に扱う、という姿勢が許せないひともありましょうが、しかしそもそも歴史は時代によって一般的な解釈が異なり、そして陽の当たりにくい部分にも存在する。顔立ちから日本人のルーツを探り、源氏物語や金ケ崎の戦いをコント風に描き、といった具合に、親しみやすい切り口で歴史を提示するのは、歴史に対する関心を呼び起こす、という意味でとても有益な手段だと思う。『武士の家計簿』の原作者でもある磯田道史氏による、災害から語る戦国・江戸史のように、一般的な教科書や歴史書では出て来ない切り口での解説は目から鱗でしたし、それらを踏まえたうえでビートたけし池上彰が語る近代史は、たけしが当事者となった事件の経緯も含めて聞き応えがありました。

 視聴率的にどれほど成果が得られたのか、現時点では不明ですが、仮に低視聴率だったとしても、企画としては優秀だった、と私は評価します。一部ではあるけど観ておいて良かった。

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