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まとめて観るタイミングが見つからずに、借りてから1ヶ月近く寝かせてしまいました。荻上直子がカナダのスタッフ&キャストととにも撮影した2010年の作品、母の死後、一切言葉を話さない日本人の“ばーちゃん”に翻弄されつつも、次第に絆を取り戻していく家族の姿を描いた『トイレット』……鑑賞したのは5月31日の深夜(実質1日)だったんですが、実はレンタルでも家族の映画を観てたという。
舞台は外国、言語はほぼほぼ英語なのに、不思議なくらい日本映画。やり取りの空気感や、家族というものの距離感がものすごーく日本的で、観ていて心地好い。そして圧巻なのはもたいまさこです。劇中、喋るのはたったワンシーンなのに、何という存在感。
展開は色々とムシが良すぎるような印象もあれど、決して何もかもが登場人物たちの都合のいいようには転がっていかない。ただ、自分の意志を示すことで、家族たちが家族としての関係を形作っていくさまがとても快い。奇妙なタイトルですが、それが視点人物であるレイと、物語の鍵たる“ばーちゃん”との関係をよく象徴してます。
風変わりだけど妙に暖かい、日本人好みの家族のドラマ。公開時、日本では高い満足度を獲得したのも頷けます。
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