『みなみけ〜おかわり〜』8杯目 プールは別腹です

 春香がいきつけの駄菓子屋で、温水プールのチケットを貰ってきた。夏奈は早速千秋の同級生たちを中心に面子を集めるが、千秋はどこか落ち着かない。何故なら彼女、泳ぎが苦手なのだった。

 ……こんな古典的な駄菓子屋はもう存在しないぞ。そしてそんな人数が集まるほどタダ券ばらまくかぁぁぁ。

 それはさておき、なんかやっぱり設定を把握していないし、不自然な描写が極端に多い……千秋が泳げないことなんて普通クラスメイトは承知しているでしょう。ていうか、この仲のいい姉妹なら全員解ってるだろーが。そして人の集め方と行動の不自然さはどうしたことだ。いくらタケルおじさんが方向音痴だからって、隣町に行くのに高速に乗るのはやり過ぎ。で、ここまでキャラクターを出しておきながら、収拾がついていないのも問題です。無印のように下手に絡めたりせずバラバラに描いていれば、主題を別アングルで、という言い訳も立つのに。お陰で途中から消えているキャラクターが多かったぞ。

 あと、冬馬は“姫”の話をよく知らないはずだし、未だに冬馬が女の子だと知らない藤岡と一緒なのに、冬馬があからさまに女の子の水着を着ている不自然を放置するのはどうなんだろう。千秋の藤岡に対する態度もおかしいし、リコとケイコがなんでこんなに仲がいいのかも不明。普通こういう穴を1話1話で着実に埋めていくのがシリーズ構成の仕事なんだが……そして今回の脚本はシリーズ構成担当者なのだが。なんかちゃんと仕事をせずにやりたいことだけやっているように見えて仕方ない……相変わらずモブキャラがどこまで黒くてどこからが黒くないのかの区別が不明瞭ですし、無印のようになさそうできっちり全体に主題やネタが仕込んであるような巧さが感じられない。あのオチにする意味がまるでないだろ。あれじゃ速水先輩ただの悪戯っ子やん。

 ただまあ、それでも4〜6話の地獄ループから比べると、格段にましになっているのも事実。人物の絡み合いがちゃんと話に笑いを齎しているし、作画もわりと安定している――中学生組の発育が良すぎるとかはあるが、それはもうデザイン時点で解っていたことだし。とにかく、『おかわり』になってから一番あーだこーだ言う回数が少なく済んだことは確か。概ね原作通りにしているだけのようですが、それだけでこんなにまともになるというのが何ともはや。

 このまんま最後まで行ってくれれば、無印のときほどではないにせよ、毎週楽しみにしていられるのですが、問題は終盤であのオリジナルキャラが再び採り上げられる場合だ……依然として緊張は続く。

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