嘆いても仕方のないことですが、ほんとーなら今日は、ここ数年のお楽しみのひとつ、東京03単独公演を観に行くはずでした。まあご存じの通りの成り行きで早々に中止が決定してしまったわけです。チケット購入者には代替公演の日程が決まり次第、優先的に連絡が来る、という話でしたが、まだ収束に至っていないので、現時点ではいつになるか不明。しかし仕方がないので、静かに待ちます。
というわけで今日も、自宅にて映画鑑賞することに。例によって多すぎる選択肢のなかから引っ張り出したのは、Netflixオリジナル作品、ポール・グリーングラス監督が2011年にノルウェーで発生した連続テロ事件とその余波をリアルなタッチで描き出した『7月22日』(Netflix配信)。私はこの監督の作品が好きなので、いずれ観なきゃ、と思っていた作品でした――こないだまで忘れてましたけど。観る作品を探してるときに思い出してリストに入れておいた。
もう何度も実際の事件を題材にしている監督ですが、毎回微妙に切り口は違う。今回はテロそのものの描写は冒頭の20分程度、あとはその影響と、新たに生まれた戦いを静かに描いている。生き残ったことで却って抱えてしまう苦悩、犯人の意のままになりかねない法廷の動きに反発する世論、そして義務故に弁護を引き受けた弁護士の災難など、ほかの事件でも起こりうる出来事を巧みに切り取り、それぞれの“戦い”を静かに、説得力豊かに見せてます。ある意味で着地点の見えない戦いのように感じられますが、しかし本篇が見つけた“クライマックス”は秀逸だと思う。こういう現実の事件を再現した作品で監督がよくやる通り、今回も国際的に知られた俳優はまったく出てきませんが、一見の価値はある。
……東京03の公演が見に行けなかった代わりにするならコメディを選ぶべきだった気もしますが、まあそこはそれ。03のライブはしょっちゅうBGVとして鑑賞してるし。
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[…] 原題:“22 July” / 原作:アスネ・セイエルスタッド / 監督&脚本:ポール・グリーングラス […]