とりあえず杉本は減給にしとこうよ。[レンタルDVD鑑賞日記その746]

 2020年12月リリースの『Not Found 43-ネットから削除された禁断動画-』を鑑賞。料理の様子を生配信していた際の惨劇“ピーラーの切れ味”、またぞろ杉本が妙なものに感化されてしまった一部始終“AD杉本×働き方改革”、些細な怪異を記録した映像の取材が思わぬ恐怖をスタッフにもたらす前後篇“凶宅”など、全6篇を収録。
 冒頭の痛い映像に杉本の珍騒動、そして取材陣も巻き込まれる前後篇、といったお馴染みの構成ながら、今回ちょっと変わった話も入っている。怪奇現象なんだけれども手触りの違う“身体から針が”も異色ですが、もっと変わっているのは“マスクに混入していたもの”です。まさに緊急事態宣言下と思われる、オンライン飲み会での出来事なのですが、怪奇現象ではないけれど都市伝説的な闇が覗く。こういう切り口もこのシリーズでは過去にやっていたりしますが、あまり派手に動けない時期の出来事であり、それがカメラに記録されている、という趣向が現代ならでは。
 長篇“凶宅”は実のところ、投稿映像だけならそんなにインパクトは強くない。しかし、映像の撮影場所となった住宅を巡る兄弟の確執から、終盤の緊迫した場面があるため、かなりしっかりとしたホラーになってる。別のエピソードでは相変わらずボンクラぶりを晒しているAD杉本も、いい仕事してます。圧倒的に出来がいいわけではないけれど、安定感はある。
 ……しかし、安定しているとは言い条、けっきょく印象が強いのは杉本メインのエピソードなのです。今回はとりわけ、大枠だけなら杉本のやろうとしていたことは間違いではないのだけど、相談する相手も、実際にやってることも間違いまくっているので、笑いつつもイライラさせられます。データが「飛ぶ」という表現はおろか、その行為が御法度だと気づかないあたり、さすがに不勉強ってレベルじゃないぞ。何年そこで働いてるのだお前。
 色々と文句をつけたいところはあれど、一時ほど不自然さが際立つこともなく安定しているので、たぶん今後も観続けるでしょう。ようやく新しいスタッフも入ったみたいだし、出来ればレベルももうちょっと向上させてね……。

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