こんな夜更けにチョモランマ。

 必要な用事のない木曜日は映画を観に行く。しかし今日は、目当ての作品のスケジュールが日中だと私の都合にあんまし合わず、20時50分スタートの回を選ぶことに。夜出かけるのはあまり好きではありません。特に、行き先が新宿だとなおさらに……電車だと酔客に遭遇してうんざりすることがあるし、バイクだと、ふだん使う道は夜、照明が少なく、しかも空いているところはスピードが速くなりがちなので気を遣うのです。まあ、けっきょくは観に行くのですが。
 自宅にて、いつもより少し早めの時間に夕食を済ませてからバイクにて出発。この時間だと、いちばん手頃な駐車場も確実に空いているので助かります。
 新宿シネマカリテにて鑑賞した本日の作品は、ツイ・ハークがプロデュース、『ブラック・マスク』や『ドラゴン・ブレイド』を手懸けたダニエル・リーが監督した冒険ドラマ、中国によるチョモランマ登頂の実話を、VFXを駆使してダイナミックに描き出したクライマーズ(2019)』(AMGエンタテインメント配給)
 資料がないので、どこまで実話かがいまいち解らないのですが……たぶん相当派手に脚色している。ちょっと人間関係がベタにドラマティックすぎるし、起きるトラブルがいちいち派手に過ぎる。そして、いくら困難な挑戦とはいえ死人が出すぎ。あまりにも随所で生と死が交錯するので、素直な人ならともかく、いい加減すれている私みたいな人間にはちょっとあざとすぎる印象。また、恐らくほとんどのシーンはスタジオなどで撮影、VFXで雪崩や暴風などのスペクタクルを描写している、と思われますが、この辺に中国の映画にありがちな不自然さが色濃い。全般にあまりリアリティを実感しにくいので、“実話がベース”という点に惹かれて鑑賞するとだいぶ不満を抱くかも。
 ただ、あざとすぎるとは言え、それだけしっかりと定石を押さえてドラマを盛り上げてくるので、観ていて終始ハラハラが味わえる。ベタすぎる、という点をあまり気にしないひとなら、畳みかけるような人間ドラマにずっと心を揺さぶられっぱなしになるはず。如何にもツイ・ハークプロデュースらしい、洗練されてないけどエンタテインメントのツボはきっちり押さえた仕上がりになってます。
 正直、この辺の仕上がりは予想できてたので、他に理由がなければ優先的に観に行くことはなかったんですが、敢えて劇場まで足を運んだのは――ジャッキー・チェンが出てたから。ただし、出番はごくごく短く、アクションも皆無なので、彼のフィルモグラフィを可能な限り押さえたい、というわけでもない限り観る必要はないと思います。実にいいところで登場するので、私は納得してますが。

 夜も遅く、立ち寄る場所もほとんどないので、鑑賞後はまっすぐ帰宅――はせず、自宅最寄りの駅前でマクドナルドに寄り道し、ポテトだけ買ってから帰りました。さすがに、食べた時間が早すぎるので、深夜の作業用にもーちょっとエネルギーを補給したかったのです。

コメント

  1. […] 原題:“攀登者” / 英題:“The Climbers” / 監督:ダニエル・リー /  […]

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