月曜、という妙な日から封切りとなった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に席巻されてしまったせいか、私目線ではあんまし観たい映画がかかってない。だいぶ悩んで、けっきょくは自宅にて配信の映画を愉しむことに。しかも2本立てで。
まずAmazon Prime Video1本目は、MCU確立以前のマーヴェル・コミック映画、人間とヴァンパイアの性質を受け継ぎ、ヴァンパイアを狩り続ける男の冒険を描いた『ブレイド(1998)』(日本ヘラルド初公開時配給)。実はなんども観ようと思って、冒頭だけはけっこうな回数を観てるんですが、いずれもタイミングが悪くてすぐに止めていたため、通して観るのははじめて。
今となってはそんなに珍しくない要素ばかり、なんですが、『アンダーワールド』や『ヘルシング』、そして『マトリックス』すら公開前だったことを思うと、かなり先進的な作りだったのではなかろうか。見得を思わせるようなアクションデザイン、吸血鬼の伝承を踏まえつつもそれをダイナミックにアクションやドラマに活かした構造。たまたま助けた医師が血液の専門家、というのが(いちおう必然的な流れは作っているとは言い条)あまりにも御都合主義的ではありますが、流れにも大きな破綻はない。
派手すぎて非現実的とはいえ、あまりにも盛大に血飛沫が舞うので、苦手なひとも多そうですが、全体にハイクオリティ。別に毛嫌いしていたわけではなかったのに、なんで今まで観てなかったのやら。
日中、食事や仮眠などを挟んで1作目を観たあと、その勢いですぐさま2作目『ブレイド2(2002)』(日本ヘラルド初公開時配給)へ。ただしこんどはNetflixです――だって、Amazon Prime Videoでは2作目以降、追加料金が必要になるから。Netflixに全作揃ってればまとめて観るんですけど、こっちはこっちで何故か2しか置いてないし。
そもそも今日の配信ハシゴ、お目当てはこっちなのです。なにせ監督がギレルモ・デル・トロ、そしてマーシャルアーツ振付と出演でドニー・イェンが参加している、という組み合わせですから。
もっとも、いざ観てみると、両者ともに持ち味を発揮しきってるとは言いがたい。前作から続けて鑑賞すると、まるで感染ホラーのような趣向は確かにデル・トロ監督を起用する意義はありますし、クリーチャーの表現なんかに独特の美学は感じられるものの、あくまで前作の方向性を踏襲することに徹しているのが窺える。そつなくまとめた感じ。
他方、ドニー・イェンは本篇での出演もアクション演出も決して満足のいくものではなかった、と発言しているようですが、それも頷ける。前作に続いてアクション描写はスタイリッシュながら、動きの繋がりをあんまり重視していないので、折角の緻密な組み立てが活かされてない。俳優やスタントは頑張ってるけど、作品の世界観やスタジオ側の方針に添った結果、不満の残る出来になったと思われる。
とはいえ作品としては充分に面白いです。生憎私は、鑑賞しつつここにアップする感想の下書きを用意しよう、とWikipediaを参照してたら、キャラクター一覧に思いっきりネタばらしがしてあって、展開ほとんど察しがついた状態で観る羽目になりましたが、それでも楽しめたんですから、完成度が高いのは確か。
ちなみに3作目も間もなく観る予定です。だって、既に月額レンタルで出荷された奴が手許にあるから……実のところ、これが想定より早く出てきてしまったせいで、きょう慌てて1・2と続けて観たのだったりする。
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[…] 原題:“Blade” / 原作:マーヴ・ウォルフマン、ジーン・コラン / 監督:スティーブン・ノリントン / 脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー / […]
[…] 原題:“Blade II” / 原作:マーヴ・ウォルフマン、ジーン・コラン / 監督:ギレルモ・デル・トロ / 脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー / […]