レンタルDVD鑑賞日記その652。

 昨年6月にリリースされた『封印映像41 田中』を鑑賞。山道を走行中に奇妙な落とし物を発見した直後に撮影者を襲った悪夢“ツーリング”、母の実家に帰省した際、幼い娘が撮ったビデオ映像“お葬式”、亡くなる3ヶ月前に娘に宛てた映像を巡る“ビデオレター”、怪奇ドキュメンタリーの模倣を試みた一同が撮影してしまった怪異“田中”の4篇を収録。
 着眼はいいけどいちいちどこかしらが足りないこのシリーズ、今回は全般に微妙。肝心の怪奇映像がみんな合成くさいのはまあしょうがないとしても、いちばんいけないのは演出です。特に“お葬式”は出てくる人たちの喋りがあからさまに脚本が見えてしまって、興醒めも著しい。肝心のポイント以外は台詞を用意せず、シチュエーションに沿って自然な会話になるよう工夫しましょう――なんて初歩をいつになったら学ぶのだ。
 そんななかで表題作“田中”は個人的にはけっこう評価してます。これは怪奇ドキュメンタリーという映像企画を長期的にやっていれば起きても不思議ではなかった出来事だと思う。肝心の怪奇現象は安易ですし、ドキュメンタリー部分の展開も消化不良の感は否めないものの、着眼点と引田びゅーゅうばんのADの反応はいい。私としてはあいつをぶん殴るくらいしても良かった、とは思いますが、それはそれで問題だもんね。
 問題だらけだけど相変わらず創意は感じる。とりあえず私は応援し続けたい。特にAD田中頑張れ。生きろ。

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