『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊〈4Kリマスター版〉』公開記念舞台挨拶 at TOHOシネマズ日比谷。

 今週前半、映画鑑賞に出かけなかったのは、金曜日に加え、この日が埋まる可能性があったからです――抽選なので確定ではなかったものの、外れたら通常上映で観るつもりでした。
 無事に当選したので、朝からお出かけ。透析の際に実施した採血をクリニックに提出し、いつもとは違うルートで電車移動しました……台風が来てるので、地上に出る時間を短縮したい、と考えると、地下鉄へアクセスしやすいこっちのルートのほうが好都合だったのです。なにせ、いったん地下に入っちゃえば、まったく降られることなく劇場に行けるし。
 というわけで本日鑑賞したのは、1995年に製作された士郎正宗原作・押井守監督伝説の傑作、高度にネットワーク化、人体のサイボーグ化が進んだ近未来を舞台に、謎のテロリスト《人形遣い》と公安9課の戦いを描くSFGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊〈4Kリマスター版〉(IMAX)』(BANDAI NAMCO Arts Inc.配給)
 ただし実は、ここ日比谷での上映は4Kではない。IMAXと言っても、4Kに対応出来るのはレーザー方式の映写機で、TOHOシネマズだと都内では新宿しか対応していない。どうやら配給会社でも誤解があったようで、この告知があったのはチケットを発券したあとでした。払戻に応じる、という話でしたが、今回は舞台挨拶もあって、そちらも目的に入っている。少々、釈然としない気持ちもありましたが、今回はそのまんま鑑賞しました。
 舞台挨拶は上映後なので、まずは本篇から。例によって、いままで機会を得られなかったためにこれが初めての鑑賞です。
 ……確かに凄い。技術的にはまだまだアナログなので、作画上のぎこちなさも目立ちますが、それでも構図と1枚1枚の映像のクオリティが高い。いま観ると充分に未来を予測し切れてなかった、というポイントも多々あれど、見事に予見しているところ、更に先まで達していそうな要素が無数にあって、未だ示唆に富んでいる。そして、およそアニメらしからぬディープすぎるSF構造のなかで繰り広げられるドラマの深淵なることよ。ネットワークの発達が自己と他者の境を曖昧にし、そしてネットワークだからこその生命を作り出す、という発想は、凄まじいのに映像のジャンルではあまり追随されてない。やりづらいんだとは思いますが、だからこそ本篇の価値は高い。
 そして舞台挨拶……というか、トークイベントです。冒頭と締めだけバンダイナムコアーツの方が仕切り、あとは押井守監督と、音響監督の若林和弘氏が座談会風に当時の記憶を辿ります。作画まわりのことは話し尽くした感があるので、若林氏もいることだし音響についての話が中心になりました。
 とにかく、当時は雰囲気こそデジタルでも、まだまだツールの信頼性が低く、作業に用いていたマックは爆弾ばっかり出て再起動の連続だったらしい。録音でもデジタルを駆使しようとしましたが、けっきょくはアナログを活用する場面が多かったという。あと、当時の音響編集の部屋は、酒を持ち込んでいて、作業が終わると午前まで飲んで、翌日そのまんま作業に戻る、という流れなので、非常に酒臭かったそうです。四半世紀程度だけど、昔なんだなあ、もう。

 鑑賞後は、近くのガード下に出来た日比谷ラーメンアベニューを訪れて昼食。けっこう混んでるのでは、と危惧してたんですが、さすがに台風到来で不安定な陽気の中、あえてここまで脚を運ぶひとは少ないようです。気づいたら私しか座ってないし、フードコートスタイルなのに、手の空いた店員さんが食器を片付けてくれたし。なんだか申し訳ない気分になってしまった。

コメント

  1. […] 原作:士郎正宗 / 監督&絵コンテ:押井守 / 脚本:伊藤和典 / 演出:西久保利彦 / キャラクターデザイン:沖浦啓之 /  […]

  2. […]  9月18日、台風襲来のなか訪れた日比谷にて、日比谷グルメゾン ラーメンアベニューまで足を伸ばしてみた。 […]

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