エルキュール・ポアロふたたび。

　いまいち調子が良くないので、きょう予定していた映画鑑賞も、場合によってはキャンセルしようか、とも思ってました。しかし、すでにチケットは取ってあるし、どうしても本数がこなしづらい中、絶対に外したくなかった１本でもある。行き先はTOHOシネマズ上野、とりあえずのんびり歩いていって、しんどいようなら電車ですぐ引き返すことにしてお出かけ……調子が良くない、とは言い条、歩き始めれば普通に着いてしまう。帰る理由はなさそうなので、そのまま観ていくことに。
　本日の作品は、ケネス・ブラナー監督＆主演によるエルキュール・ポアロ第２作、裕福な新婚夫婦がハネムーンの旅路で遭遇した悲劇をポアロが解き明かす『ナイル殺人事件（2022・字幕）』(Walt Disney Japan配給)。
　冒頭、「あれ？　これアガサ・クリスティの作品だよね？」と驚くシーンが挟まれてますが、ちゃんと本筋に戻ります。ただし、原作ではあまり掘り下げられていないはずのポアロ自身の過去や現在の境遇に触れることで、物語の持つ悲劇性をより深化させている。シェイクスピア俳優でもある監督らしい脚色だと思う。
　前作ほどではないにせよ相変わらず粒揃いのキャストと、ナイル川沿いの史跡が登場するエキゾチックな映像、そして敢えて外連味のある表現を多数採り入れたことで演出する華やかさ。なにせ原作は結構厚みがあって、そのまんま映像化すると結構な尺を使うはずで、2時間7分ではかなりの圧縮感がある。それを表現と、華のある俳優陣で彩って、ゴージャスな世界観に浸らせてくれます。
　解決が駆け足気味なせいもあって、推理に恣意的な印象が付きまとうのも悩みどころですが、ドラマチックな異世界感を堪能出来る作品。これもコロナ禍で封切が遅れていたので、観られたことだけでも嬉しい。

　鑑賞後は、近くのラーメン屋で昼食……と思ってましたが、きょうは夕方に歯医者の予約が入っている。下手に待ち時間が生じると仮眠を取る時間がなくなってしまうので、駅近くのケンタッキーで購入して家に持ち帰って食べることに……ケンタッキーの袋を提げて電車に乗るのはテロ行為に等しい、と自分でも思いますが、仕方ないじゃない我が家の近くにはケンタッキーないんだもん。食べたきゃイートインにするか、こうやって匂いを振りまきながら電車に乗るしかないのです。うちの近所に支店出してくれないかなー。