坂井家の面々が困惑するなか、薬売りは結界を張り、もののけとの距離を測る細工を施し、一方で坂井家に対するもののけの“怨み”の正体を探ろうとする。だが、そこへ“化猫”の魔手が肉薄する――薬売りの絵解きは間に合うのか?
ますます怪奇映画の趣を強くしていますが、一方で間もたっぷりと使った緊張感の演出も怠っておらず、見応え充分。化猫の理もさることながら、薬売りの呪術がいったいどんな法則に従っているのか解らないので全体の意味が解りにくいのですが、しかし男の術があることで、本来形を結びにくい悪意がじわじわと接近してくるのを映像的に再現しているのは解る、それだけで充分。独特な映像感覚が、常識を逸脱した恐怖を描き出す役を見事に担っており、脚本と映像・演出の一体感が実に素晴らしい。実はところどころ作画が乱れている箇所もあったのですが、それすらムードのなかに取りこんでしまっているのでほとんど気になりませんでした。いちおう指摘はするけど。
このシリーズだけ一話少なく、来週で決着となりますが、むしろ尺としてはちょうどいいかも。来週も楽しみー。
そういえば、『怪〜ayakashi〜』のDVDは7月7日に発売だそうです。『四谷怪談』『天守物語』『化猫』と三本同時発売。……とりあえず『化猫』は現段階の手応えだけでも購入して惜しくなさそうなので、これだけは決定。なにせ一話少ない分価格設定も安めなので手を出しやすいのです。『四谷怪談』はちょっと色遣いが極端でしたが、話運びが安定していましたし未だに最終回を見落としたのが悔やまれるので、余裕があったら買いたい。『天守物語』は……あんまり気が進まないなー。決して嫌いではないのですが、どうも幼稚な脚色とか乱れに乱れた作画を思うと、フォローしておく必要があまり感じられないのです。
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