原作ものばっかり観ているのもアレなので、ホラーっぽい内容が私の守備範囲に属すると思しいこれをちょっと鑑賞してみた。
――うーん、どうにも緩い。復讐に至るくだりはさておき、肝心の地獄少女・閻魔愛とその仲間たちの報復手段が脈絡を欠くのでいまいち説得力がないのです。こういう場合、復讐される対象の行為を本人を相手に再現して、やったことをとことん痛感させてから地獄送りにしなきゃ駄目でしょう。また、そのあとで復讐された相手がどうなったのかが明示されていなかったり、今回の被害者が復讐を決意する直前までのくだりが無視されたような締め括りになっているのが不満です。主題の魅力に対して、描写の練り込みが甚だ浅い、という印象でした。なんか細部の詰め方が甘い『笑ゥせぇるすまん』みたいな感じ、とでも言いましょうか。閻魔愛と仲間たちの役割分担も思いっ切り意味不明で、四人が復讐対象の前に姿を揃えるシーンが唐突すぎるのも問題です。なんで出て来たのか一瞬理解できないんです。
しかし、いかにも日本の怪談を匂わせる演出と、絵のクオリティは悪くない。復讐対象を地獄に送る場面のヴィジュアルなどはちょっと見蕩れてしまうくらいでした。敢えて抑揚を乏しくした能登麻美子の演技もこの雰囲気には合っている。
動機自体は説得力があるので、もうちょっと復讐手段に計算を加えて欲しい、という注文をつけつつ、とりあえずもうしばらく様子を見てみます。
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