実は今日は大変な日なのです。「これは絶対観ねば」と心に決めていた作品が3本、そして心情的に観落としたくない作品が1本、ぜんぶ公開される。
ハシゴしてぜんぶ観る、なんてやってたら消耗が激しいですし、作業に費やす時間まで食われてしまう。なので、基本は1本ずつ、或いは時間割が奇跡的に噛み合った場合だけハシゴする、という方針で、スケジュールの発表を待った。
……けっきょく考えるのが面倒臭くなって、バラバラの日に観ることにしたわけです。ぜんぶおんなじ劇場、おんなじスクリーンでかかっていれば順繰りで観られますが、そんなことあるわけがない。
ともあれ、まずは封切り日に1本押さえに行ってきました。
前夜まで、ちょうど私が帰る時間帯に雨マークがつく厭な予報。朝早くで、付近の駐車場に入れやすいことから、出来ればバイクを使いたかったんですが、大人しく電車を利用。朝になると予報は変わって、日中は曇りで収まる、と出ていても、安易に鵜呑みには出来ない。
訪れたのは有楽町駅そばの丸の内ピカデリー、鑑賞したのは、《DCエクステンデッド・ユニヴァース》ひと区切りとなる最新作、時空を超える速さを身につけたヒーローの行動が世界を揺るがす『ザ・フラッシュ(字幕・dolby Cinema)』(Warner Bros.配給)。
《DCEU》の刷新とか、主演エズラ・ミラーの素行不良とか、不安材料ドカ盛りで本当に公開されんのか、と長いことヒヤヒヤさせられましたが、どうにかこうして封切られました。しかも前評判が異様にいいので、いの一番に押さえてみた。
……本当に傑作でした。
趣向としてはもう既に『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に先を越された感がありますし、何なら同日公開のアレも被ってそうなんですが、しかしこの《DCEU》の総決算は、マーヴェルよりも前の年代から包括している。それだけに、サプライズも少なからず仕掛けられていて、追ってきた作品が多ければ多いほどたまらない。
そして、いわゆる“マルチヴァース”を採り入れたヒーロー映画として、究極とも言える構造になってる。これも、趣向としては先行作があるとはいえ、本篇での仕掛けと展開は完璧と言っていい。あまりにも過酷な選択と、心を揺さぶるクライマックス。きちんとヒーロー映画としての昂揚感だけでなく、ヒーローが人間であればこその懊悩、決心を誠実に描ききってます。
それでいて、ヒーローが複数登場するからこその激しく多彩なアクションに、無数のユーモアを鏤めた緩急のコントロールも巧みだから、退屈する隙がありません。それこそバリー・アレン=フラッシュと一緒に、運命を全速力で駆け抜ける感覚。
観た感じ、ジェームズ・ガン&ピーター・サフラン体制に移行してからの《DCEU》に繋がるような趣向はなさそうな気配ですが、これまでを総括し、リフレッシュする節目としてはあまりにも最高の仕上がり。《DCEU》を巡る顛末は色んな人たちにとって不幸だった、と思えてなりませんが、本篇によってかなり報われたのではなかろうか……っていうか、まだ1本残っている旧ユニヴァース作品『Aquaman and the Lost Kingdom』はどういう位置づけにするつもりなんだろうか。
ちなみに本篇のアンディ・ムスキエティ監督、どうやら新体制の《DCEU》におけるバットマン映画『Batman : The Brave and The Bold』に起用されたらしい。並行世界にいる複数のヒーロー、しかも他ならぬバットマンを描き分けることに成功していましたから、これはとても妥当な結論だと思う。またスタジオ側での卓袱台返しが繰り返されないことを願おう……。
昼食は当初、有楽町の丸亀製麺で、夏限定メニューをテイクアウトして帰るつもりでしたが、どうもこの店舗はシェイクうどん以外はテイクアウトに対応してないらしい。映画を観ながらフライドポテトを食べていたので、お店に来た時点では限定メニューが入る腹具合ではなく、やむなく今日は断念。自宅最寄りの駅まで戻り、近くのコンビニにて簡単な食事を買って帰りました。
……ところで、けっきょく雨の気配ありませんでしたね。バイクで来てもまったく問題ありませんでしたね。これ書いている夕方18時頃でさえ雨の気配ないぞ。
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