レンタルDVD鑑賞日記その533。

 エレベーターの監視カメラが捉えたひとりの女性の災禍“エレベーター”、山中で男性2人が遭遇した謎の影の正体“千九山”、幽霊を感知するというアプリで遊んでいた女性達が本当に遭遇してしまう表題作など4篇を収録。

『ほん呪』フォロワーの中でも比較的健闘し、生き延びているシリーズですが、正直なところ全体的なクオリティはちょっと低め。

 とはいえ、肝心の映像にリアリティが乏しいのがいちばんの問題であって、題材はきちんと掘り下げてますし、取材の描き方にも工夫があって、観られるレベルは保っている。

 見せるための工夫のひとつが、他の怪奇ドキュメンタリーでも主流となってきている、スタッフのキャラクターを立てたり、スタッフ間でのゴタゴタも挿話として用いるやり方なんですが……このシリーズの場合、その匙加減がちょっと奇妙。“エレベーター”では、ディレクター抜きでのインタビューが初めての経験だから、といった描写を言い訳代わりに用いてますが、掘り下げる余裕がなかったのをごまかしているように映る。更に“幽霊アプリ”では、約束した謎の霊能力者が来なかったので代わりにシリーズ旧作で幾度か登場しているジョン・クロウを急遽呼び寄せているのですが……なんで最初っからクロウ氏に頼まなかったの? こっちもそれ以上掘り下げないことの言い訳のようにも捉えられました。

 ただまあ、そういう珍妙さも、不快感とか苛立ちよりはちょっとした笑いに繋がっている感はあるので、別にイヤではない。もーちょっとひねれよ、とは思うけど。

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