今週頭から体調不良だった母は、家の中での生活くらいはまあ問題なく過ごせるようになった。本日は午前中に医師の往診がある予定でしたが、もう私が立ち会う必要はない、と医師も言っていたそうなので、こちらの追い込み前の気分転換として、映画鑑賞と大つけ麺博のハシゴをしてくることに。
しかし映画館は新宿ではなく、TOHOシネマズ上野だったりする――なにせいまは作業に時間を割きたいので尺が短いほうを優先したい、しかしそのつもりで狙った作品は、新宿では開映がちと遅くて不都合だったため、新宿へのアクセスが容易な上野を使うことにした次第。あとのイベントが、厳格にスケジュール設定してないので、遅れてもあんまし問題ない、強いて言えば並ぶ時間が増えるだけ、と解っているから出来る芸当です。
鑑賞したのは、西村ツチカの漫画をアニメ映画化、動物たちがショッピングを楽しむ百貨店で、コンシェルジュとして勤めはじめた人間の女性の奮闘を描く『北極百貨店のコンシェルジュさん』(Aniplex配給)。
原作についてほぼ知識なし、ですが劇場での予告篇に惹かれて、鑑賞する気満々でした。
期待していた以上に、いい作品でした。
なんで動物が人間そのものの買い物を楽しんでるのか、なんで絶滅種が普通にいるのか、とかは説明がありませんし、そこに踏み込みはしませんが、この設定が“ホスピタリティ”を問うテーマと緩やかに共鳴して、けっこう豊かなドラマ性を演出してる。主人公が見せる序盤のシンプルなドジっぷりから、そのひたむきさが生み出す化学反応が思いのほか感動的。
お仕事ものは工夫がないとアニメとしての魅力が発揮できなくなる傾向にあるのですが、この作品は恐らく原作の持ち味を活かしているのでしょう、アニメとしては扱いづらい特徴的なタッチを維持することで個性を作っている。そのうえで、要所要所で過剰な演出も入れて緩急を加えているのもまたよし。
終盤で出てきた波乱の種が充分には機能してなくない? という疑問があったり、トラブル解決の手段や展開がすべて腑に落ちるわけではないけれど、それでも様々な要素が美しく結実するクライマックスは美しい。エピローグの趣向も粋です。してやられた気分。
尺はわずか70分、それでも満足感の高い秀作。原作ものながら綺麗にまとまっているので、予習も次の作品の有無を気にする必要もなく楽しめます。
鑑賞後は電車にて新宿に移動、予定通り日本ラーメン大百科を訪れて昼食。それから、私自身の買い物と、移動中に母からメッセージで頼まれた薬の引き取りをこなして帰宅……気分転換にしちゃ少々やりすぎた感はある。
しかも帰って、ひと休みしてから母に頼まれた買い出しのため近くの商店街に行ったら、きょう食べるつもりでいたもんじゃ焼きの素がスーパーから消えており、いったん家に戻り、先に手に入れた野菜やらを下ろしてから、位置的に反対の方向にある別のスーパーに赴く、なんてやっていたので、けっきょく気分転換だけ、と言うには消耗の激しい1日になってしまった。今日もよう歩いたよ……。
なお、日本ラーメン大百科でいただいたメニューについては、項を改めて、たぶん日付も変わってからアップします。
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