『ばけばけ』感想&うんちく日誌、その7。

ばけばけ
【NHK朝ドラ公式】連続テレビ小説「ばけばけ」。主演は髙石あかり。キャスト相関図・見逃し配信・あらすじ・放送予定など。小泉セツ&八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻がモデルの物語。明治の松江。怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描きます。【作】ふじ...

 トキの“怪談好き”が露骨に出てきました……まあ、私も根っこは似たようなもんなので、割と共感していたりして。
 そもそも松江は、怪談の舞台が多い。その現場で怪談を聞く《松江ゴーストツアー》が企画され、近頃はすぐに枠が埋まるほど盛況だそうですが、1回のツアーでぜんぶのスポットを回りきるのは無理で、だいたい何かしら漏れてる。
 松江大橋の源助柱も、清光院を舞台とする《松風》も無論実在します。ただし、なかなか完成しない松江大橋に人足の源助が人柱として埋められた、というのは、難工事で多くの人々が犠牲になったことを、源助という人物に象徴しただけ、とも考えられているそうで、また清光院は、ドラマで描かれるような雰囲気バリバリの場所ではありません――少なくとも現代では。血の跡が残っているのも、井戸ではなく階段なので、あえてその辺は変更している。実在の清光院は下の写真のように、一見してそこまで禍々しい雰囲気を醸し出しているわけではなく、そのあたりも考慮して、あえて本当の場所では撮影しなかったのかも。しかし、《松風》という怪談の概略はほぼそのままだし、その現地で怯えつつもはしゃぐトキはなかなかの強者です。
 ドラマそのものは、どうやらお見合いにまでこぎ着け、如何に松野家の困窮ぶりを悟られることなく婿に招くか、という奮闘……というか、たぶんドタバタに発展していきそうな気配。
 相変わらず、解る人には解る複雑な雰囲気も漂わせつつ、基本コミカルに描くスタンスは一貫している。“朝ドラにしては攻めすぎている”なんて表現もネットで目にしましたが、私はこの、きちんと作り込みながらも肩の凝らない快さこそ、朝に観るドラマとして適してるように思います。少なくとも私は楽しい。

実際の清光院……2017年頃の写真ですが。
実際の清光院……2017年頃の写真ですが。

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