10月2日に、2024年7月リリースの『Not Found 53-ネットから削3除された禁断動画-』を鑑賞。暮らすアパートでの異音に悩まされた男性のカメラが捉えた恐怖《玄関ポスト》、やや心許ない協力者に従い心霊スポットを訪ねたスタッフの珍騒動《金欠スタッフが300万円の現金を拾うの巻》、ある展望台を訪ねた投稿者たちが見舞われた怪異を取材するうち、スタッフが奇怪な事態に遭遇する《誘う女》前後編など、全6篇を収録。
しばらく観てないなぁ、と思ってたら、なんと前巻を観てから1年以上経っていた。個性は立ってるけど、色々と気になる部分があって、月額レンタルのリストで上のほうに置いていなかったせいかも知れない。
しばしばスタッフの言動が素っ頓狂すぎて付き合いきれない気分にさせるこのシリーズですが、今回はわりあい安心して観ていられる……とはいえ、箸休めみたいな《金欠スタッフが~》は色んな意味でどうかと思う。これを収録する度胸があるなら、さっさと通報しなさい。どー見ても事件性のある出来事だから。やり取りがアホすぎて笑いになっているだけで、本質は洒落になってません。
他の単発エピソードは、《部屋で霊を探す》がかなりはっきりと怪異を捉えているのに対し、《玄関ポスト》が少々疑問符の付く映り方と扱いだったり、巻頭の恒例である怪異ではないグロテスクなエピソード《異物混入》は、惨事ではあるけれど、ちとインパクトに欠く。しかし、少なくとも内容的に違和感はない。
長篇エピソード《誘う女》は、少々ぼんやりとした映り具合の投稿エピソードを、取材が大幅に補っていて、ある意味では怪奇ドキュメンタリーの正しい姿。撮影された現地での取材、そのあいだにも幾度か遭遇する異変、そしてスタッフまでが異様な事態に巻き込まれ、怪異もそのカメラに収めてしまう。スタッフの軽率さとか、ひとまずの決着を導く人物の行動とか、やや引っかかるところはあるけれど、仕上がりはそつがない。
シリーズらしさはしっかりと押さえ、変なところはありつつも無茶はしてない、堅実な仕上がり。怪奇ドキュメンタリーでは老舗の部類に属するレベルになってきたりで、さすがにあんまりおちゃらけたものは作れなくなってるんだろうなー。落ち着いて観ていられるけど、それはそれで物足りない気がするジレンマ。
いや早く警察に届けろってば。[レンタルDVD鑑賞日記その912]

コメント