怪しいものには触らないように。[レンタルDVD鑑賞日記その759]

 昨年4月リリースの『心霊闇動画52』を鑑賞。和やかに会話していた男女が不気味なものを発見したことで怪異に巻き込まれる《夜の海岸》、山菜採りに向かった3人組の様子を記録した映像に残った怪異《山道の橋》、ピン芸人の稽古を記録したとき撮影された恐怖《1人芸》など、全6篇を収録。
 ペースは速いけどそこそこ安定しているこのシリーズ、今回も特筆すべきものはないのですが、怖い映像が見たい、という欲求と、そういう映像を扱うドキュメンタリーとしての面白さは最低限味わわせてくれる。
 ただ基本、このシリーズに物足りないのは、ドキュメンタリー部分での追求が甘いことです。投稿者や関係者へのインタビューはあっても、撮影された現地に赴いて検証する、関係した場所を訪ねて手懸かりを探す、みたいなくだりはない。もちろん、普通ならそれでもなにも真相解明に繋がるものが見つからない、なんて普通にあり得ることですが、そこから新たな事実や、更に不気味な背景が探り出される面白さ、怖さは乏しい。インタビューの中で語られることはありますが、たいてい投稿者か、それに近い関係者のみしか出て来ないので、もうひとつ説得力が足りないのです。たとえば《山道の橋》なんかは、投稿者ではなく、彼の話す内容に出てくる友人自身からの証言が欲しかった。その辺が、このシリーズ全体に感じるチープな印象の正体かも。
 とは言うものの、高望みしなければ、ちゃんとある程度の怖さは感じられる、それがかなりのペースで楽しめる、というのは、それはそれで評価するべきポイントです。このペースで続けていただきたい――たまにはホームラン級の当たりも欲しいけど。

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