爆弾はどこにでも仕掛けられている。

 本日も映画鑑賞+大つけ麺博のコンボを仕掛けに、新宿に向かいました。
 移動手段は今度こそバイクです。陽気はいいし、こういうときに出ないと、バッテリーが使えなくなってしまう。いちおう、いつも使うガソリンスタンドに寄り道し、念のための給油とタイヤの空気圧調整をしてもらって新宿を目指す。奇を衒わず、こちらもよく使っていたルートで移動。無事に余裕をもって劇場に到着。
 今日の映画館は久々の新宿ピカデリーです。今年に入って初めて。
 初めて、というほど間が空いたのは、コンセッションがセルフレジと番号呼び出しに変わったことで、ドリンクがドリンクバーのみになったことが納得いかなかったから。そもそも最小サイズで用が足りる、というか水分を摂り過ぎたくない私のような人間には、ドリンクバーは値上げ以外の何ものでもない。しかも、映画を観に来ている人が、二度も三度もドリンクを補給に戻るのは考えにくく、まして新宿ピカデリーはスクリーンからロビーまでの導線が悪い。利用したくはなかったのです。
 が、それでも今日利用したのは、ポイントの都合もありますが、鑑賞後に大つけ麺博に立ち寄るなら、帰り際にその分の飲み物を補充していこう、と考えたのです。基本的に映画館でドリンクを買ったら飲みきり、大つけ麺博の飲み物は、近場でペットボトルなどを買っていくのですが、このふたつでだいたいドリンクバーの料金になる。ルール的に正しいのかは解らないけれど、このくらいしないと、元を取った気がしません。
 ……でも、他の劇場でも思ったけれど、こういうところで供給されるカップをふたたび持ち込まれた場合、果たして劇場側はそれを見抜けるんでしょうか。ドリンク類の原価が低くても、それなりにリスクはあるように思うんですが、どうなのだろう。

 まあそれはともかく、映画鑑賞です。
 本日鑑賞したのは、呉勝浩の傑作ミステリを『帝一の國』の永井聡監督、山田裕貴&佐藤二朗主演で映画化、ただの酔漢と思っていた男の“預言”がもたらす災厄と、対峙する警察組織の奮闘を描いたスリラー爆弾(2025)』(Warner Bros.配給)
 とにかく今年は映画を観に行くタイミングが難しく、こないだよーやく50本を数えた程度。多くの作品が上映を終え、また観たい映画が陸続と封切られる中で、今日なにを観るか、にものすごく悩みました。午前十時の映画祭15のいまの作品をさっさとフォローすることも考えましたが、色々と考え、貯まったポイントが使える新宿ピカデリーで、無理のない時間に上映が始まる本篇を選択……もちろん、ものすご~く観たい1本でもあったのよ。母も観たいと言っていて、予定に余裕の出来そうな年末年始まで保つ可能性に賭けてたんですが、正月映画には他にも押さえたいものが複数あって、フォロー出来そうもないので、私だけ観てきた次第。
 期待通り、圧巻の面白さでした。ありがちなトラブルで取調室に連れられた被疑者が突如として持ち出した“預言”に始まる連続爆破、素性不明の被疑者の人を食った言動に文字通り食われていく捜査官、モンスターと化したこの人物に、自らも闇を抱えた捜査官が対峙する。取り調べから外された所轄刑事と、初動から関わった制服警官の目線も絡め、意外性と緊張感に満ちた展開が終始続いて、目が離せません。
 演出のテンポの良さ、映像的な完成度の高さも出色ですが、やはりこの作品で特筆すべきは、まるで被疑者のキャラクターをそのまま体現したかのような佐藤二朗の怪演っぷりでしょう。善良そうでいて、まるで子供のように無邪気に他者の命を弄ぶ言動。それでいて、時に激高して見せる狂気の鋭さ。もはや、佐藤二朗のために用意していた役柄としか思えません。序盤は明らかに猫を被っていたのに、後半に差し掛かり牙を剥き出しにして被疑者に相対する捜査官を演じた山田裕貴も素晴らしかったけれど、それも佐藤二朗の怪演があってこそ。
 謎解きとしてもかなり鮮やかな趣向が凝らされ、極めて見応えのある傑作でした。とりあえず、選択肢が多いなかで、観ておいてまったく後悔のない1本でした。

 鑑賞後、大久保公園に向かい、大つけ麺博です。
 今日は食べるものをほぼ心に決めてました――“ほぼ”というのは、出来れば行きたい、というお店がもうひとつあって、そちらの混雑状況次第では、きょうそちらを訪れ、当初のお目当てを後回しにするのが最善、という判断になるかも知れなかったから。
 お昼時を過ぎつつあったせいか、人出はそこそこで、無事にお目当ての1杯を食べることが出来ました。詳しくは後日記します。
 食後、紀伊國屋書店に立ち寄り、1冊だけ文庫本を購入して駐車場に戻る。久しぶりなので、緊張感をもってバイクを運転し家路に就く。無事に帰り着けてよかった……そして、もうちょっとマメに乗らねば、と思うのでした。やっぱり、間隔が空くとちょっと勘が狂う。

新宿ピカデリー、シアター3入口脇のデジタルサイネージに表示された『爆弾(2025)』キーヴィジュアル。
新宿ピカデリー、シアター3入口脇のデジタルサイネージに表示された『爆弾(2025)』キーヴィジュアル。

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