日付としてはきのう、ブログの更新を済ませたあと。
透析は休みの日にしてましたが、ほぼ同じ時間に入浴し、夕食を摂って、それから外出。コロナ禍の前、新宿でオールナイトイベントに参加するときみたいな動きですが、目的地は上野、理由は映画鑑賞です。
何でかというと、どーしても観ておきたい作品が、先週公開したばかりのはずなのに、あっという間に上映回数が減らされてしまったから。TOHOシネマズ上野では、21時45分からの回のみです。合わせるには私の透析休みの日である土曜日しかない。
ただ、上野は私には訪れやすいので、そこに抵抗はなかった。悩んだのは――どうせこんな時間に出かけるなら、あいだに外食の時間を挟んでハシゴ出来ないか、と考えてしまったからです。
本当はきょう、早く観ておきたい新作も封切られている。ならばこれとハシゴ出来ないか、と思い、スケジュールが出揃ったあたりで組み合わせようとしてみたのですが、噛み合わない。そちらは出来ればラージフォーマットで観たい作品なのですが、上野はむろん、移動しやすい範囲の劇場ともうまく噛み合わない。じゃあノーマルスクリーンならイケるのか、というと、これもちょっとしっくり来ない。
実質レイトショーの作品を、単品で観に行くのもなぁ、と思ってしまって、当日朝まで二の足を踏み、そしてようやく決心して、午前中にチケットを確保したのでした。
鑑賞したのは、谷口悟朗監督×近藤勝也デザインという組み合わせによるオリジナルアニメ、20世紀初頭のパリで、画家になる夢を抱くフジコとバレエの舞台に憧れる千鶴、ふたりの日本人少女の奮闘を描いた『パリに咲くエトワール』(松竹配給)。
基本的に奇を衒わない、王道の構成と緻密な取材で紡ぎ出した、非常に良いアニメです。
初めてバレエに接したときの出会いからパリでの再会、まだまだ厳しい差別や偏見の中で、それでも夢に向かって突き進みながらも、現実や時代の流れにも阻まれてしまう。それでも、そこから生み出されていくドラマの尊さ。
画家を目指すフジコと、薙刀の宗家に生まれながらもバレエへの憧れを抱く千鶴、というメインふたりの組み合わせが実に絶妙です。フジコの行動力が、最初は消極的だった千鶴を動かしながら、その関係性のなかにも迷いや苦しみがある。夢と友情が紡ぎ上げるそれぞれのドラマが昇華されるクライマックスは、本当に花が開くような風情です。
ジブリ作品を初期から手懸けた近藤勝也のベースによる親しみやすいキャラクターが、丁寧に描かれたパリの街を躍動する映像が非常に心地よい。基本的には手書きで積み上げていますが、大事なところでは3Dの技術も併用して、王道でありつつ意欲的でクオリティが高い。
余りにも密度が高すぎて、2時間足らずなのに長く感じるんですが、一方で「もっと観たい」という気持ちにさせる魅力がある。歴史的にはこのあと、更なる苦難を想像せずにはいられないのですが、それでも美しい夢で締めくくっていることに、強さと希望が籠められている。きっと彼らには美しい未来があった、と信じたくなる。
なおこの作品には、私がこの数年ずーっとライブに赴いている東京03の角田晃広も声として出演しています――が、それが観た動機ではありません。予告篇で既に惹かれてて、あとから出演を知りましたから、本当にたまたまです。芸人に向いた役回りだったと思う。
上映終了は23時55分、家に着くのは当然ながら午前様です。しかし、そもそも家を出るのが遅かったし、入浴も夕食も済んでいますから、もうあとは着替えて、歯だけ磨いて部屋に戻るだけ。
帰り際、残念だったのは、ドリンクバーでおかわりを注いで持ち帰るつもりだったのに、既にほとんどの作品が上映を終えて閉場を待つだけのタイミングにはドリンクバーが閉まっていたことと、ゴミ捨てを観客に委ねすぎた結果、ゴミ箱から溢れかえって、だいぶみっともない状態になっていたこと。店仕舞いするのはいいんだけど、せめて観客が気分良く帰れるよう、そして何か問題が起きても対処できるよう、従業員のひとりかふたり、残しておくべきじゃないかなー。



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