『孤独のグルメ Season11 第一話 神奈川県藤沢市善行のさばみりんと豚汁』

 ハマり始めて2年半、特別編『それぞれの孤独のグルメ』も私には充分楽しかったし、劇場版は封切り前に映画祭で観て、更に松重さんの舞台挨拶まで観に行き、未だに再放送を透析準備の傍ら鑑賞している私ですが、最新シーズンの本放送をリアルタイムで鑑賞する、ということだけが出来ずにいました。
 松重さんの年齢や、スタッフの入れ替わり、そして作品が浸透してしまったが故の、ロケ先を探す難しさがハードルになるはずなので、新シーズンの製作はどんどん困難になってるんだろうなー、と察してましたから、半ば諦めていただけに、この日が待ち遠しくて仕方ありませんでした。

 初回の舞台は神奈川県藤沢市、妙に縁起のいい地名の善行。ヴァィオリン講師の元に商談で訪れた井之頭五郎は、帰りに公園で目撃した焼肉弁当に、焼肉欲が沸騰するも、焼き魚の文字に心惹かれて暖簾をくぐる。
 冒頭から、五郎さんの変わらぬ風貌と、淡々としつつもおじさんユーモアをまぶしたナレーションに安心します。演じている松重豊は近頃、グレイヘアに丸眼鏡、という姿が普段の装いとして定着してしまいましたが、眼鏡を外して髪を黒くすれば、やっぱり五郎さんです。まあ、いまテレ東の平日夕方に再放送しているSeason 2と比べてしまうと、やっぱり年輪を重ねたな~、とは思ってしまうのですが、表情も振る舞いも、何より食欲も健在で、安心します。
 基本的にこのシリーズ、冒頭の商談は本質的にはオマケなんですが、五郎さんのお腹を空かせるために必要な過程でもあるので、短いながらもあまり気を抜いてない。ヴァイオリンの講師に戸田菜穂、というだけでも贅沢ですが、緊張でペースを乱した生徒役にスッピンのコウメ太夫を配するのが面白い。ある意味、いつも通りである。
 そしてお店は、ある意味《孤独のグルメ》らしさ全開のチョイス。明らかに家庭料理を売りにしたメニュー、ひときわ存在感を発揮する豚汁、やたらと五郎さんを襲うお魚の誘惑。アレも食って欲しかったけれど、そこで我を通して、上乗せしていく我が儘っぷりが清々しい。『それぞれの孤独のグルメ』、私としては評価してるんですが、この五郎さんの食べっぷりが堪能できる場面が少なかったのは、やっぱり物足りなかったのも事実です。
 本篇の直後は《ふらっとQUSUMI》……これもリアルタイムでは初めてお目にかかります。ふだん鑑賞している夕方の再放送ではこのパートはカットされているし、『それぞれの孤独のグルメ』や大晦日スペシャル、劇映画でもありませんでした。まあ、BSテレ東での再放送や、ネット配信では基本的についているので、観ることは出来たんですが、この空気を新鮮に体感したかったのよ。
 下戸の五郎さんが一切アルコールには手をつけない分、ここで原作者・久住昌之がいきなりアルコールを選び、そこから完全に飲み屋テイストになっていくのも、このミニコーナーの楽しさ。五郎さんの健啖ぶりでは表現しきれない、お店の楽しみ方を教えてくれる、という点でも大事なのです。
 また、本篇では俳優が演じている店主や店員も、ここでは本物が登場するので、思わず比較してしまうのも面白い。今回、女将を演じているのは観月ありさでしたが、煮てはいないけれど雰囲気はちゃんと押さえているのに感心します。
 なにせ既に長く愛されている作品ゆえ、閉めてしまったお店、代替わりしてしまったお店、繁盛しすぎてシステムやメニューの変更を余儀なくされたお店もあったでしょう。故に、“聖地”として祭り上げられる前のお店の雰囲気を記録するこのコーナーも、間違いなくシリーズの醍醐味。本当に、最新作が観られるのが嬉しいよおお。

【ドラマ24】孤独のグルメ Season11 | テレ東・BSテレ東 7ch(公式)
ドラマ24「孤独のグルメSeason11」オフィシャルサイト。約3年半ぶりとなる新Season、この春、“まだまだ、腹が減る…”

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