現場にもう一人はスタッフが必要。[レンタルDVD鑑賞日記その946]

心霊曼邪羅27(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 5月18日に、2022年3月リリースの『心霊曼邪羅27』を鑑賞。You Tubeの番組を立ち上げたい、という友人に付き合い、旅行動画の撮影を始めた《一蓮托呪》、霊が出ると噂のマンションに潜入した投稿者が遭遇した恐怖《怨響の招声》、投稿者がマンション屋上で撮影した映像の取材を進める中で、スタッフにも怪異が起きてしまう《佐藤亜寿沙》前後篇など、全7篇を収録。
 前々から思っていたが、このディレクターはだいぶ思慮が浅い。高所恐怖症だから、という理由でスタッフにカメラを任せてしまうのはまあギリギリ許すとしても、先行作でも“霊感が強さ”が指摘され、取材中に悪い影響を受けやすい、という疑いのあるスタッフを、1人で怪異の起きた場所に送りこむのは、さすがに現場の責任者として問題がありすぎる。まして、直前に体調不良で芸能活動を休止する、とマネジャーから言われていたのだから、たとえ当人が調査を続けたい、と言い出したとしても、気遣いは必要でしょう。今回記録された出来事だって、ソフトリリースが出来るどころか、下手をするとスタッフとして登場する女性の事務所から訴えられていいレベルだぞ。
 ただ、このあたりの問題を孕む《佐藤亜寿沙》のエピソードは、展開そのものはまあまあ面白いのです。相談内容もさることながら、それがスタッフと無縁ではなかったかも、という成り行きはけっこう興味を惹かれる。最大の問題は、肝心の怪奇映像が、2つある内のひとつは微妙で、もう1本は何が映ってるのかあんまりピンとこない、ということだったり……映像そのものが痺れる仕上がりだったら、まだ良かったのに。
 他にもそんなシリーズはありますが、こちらも全般に、発想はいいけど撮り方、展開のリアリティにいまひとつ欠きます。
 冒頭の《一蓮托呪》は、原因らしき出来事と展開はホラー的でいいんですが、さすがに過程が不自然すぎる。さすがにそこまでルート見失わないし、後半に異変が発生したときの投稿者の反応も微妙です。そもそも、YouTubeの番組撮影をしているのに、主役のはずのお笑い芸人である友人の反応の悪さはいったい何なのだ――売れない芸人らしい、といやそうなんですけど。
 続く《怨響の招声》も、シチュエーションと当初の展開はちょっと惹かれるのです。きっかけはありがちなものですし、聞こえてくる奇妙な声、異様なものの現れ方も、凡庸ではあるけれどある程度の効果は上げている。ただ、統一感を欠いているので、最終的に怖さより戸惑いが勝ってしまう。そこまで遊ばせといて急に何だよ。そしてあの登場で終わりなのかよ。せめて、取材パートを設けて、「そういう怪異だ」というのが裏付けられればまだちょっとは怖くなるか、リアリティも出そうなものなのに、結果として下手な“お化け屋敷”っほくなっている。
 他3作は、怪異の現れ方はだいぶ安易ですが、その分あんまりツッコむところはなく、こういう怪奇映像集としては受け入れやすい……あくまで、比較としてまだまし、という程度ですが。
 あれこれ文句を言いつつも、少しずつ良くなってはいる気がするので、引き続き鑑賞はします。いちばんのネックは、どう考えても問題がありすぎるディレクターのキャラ設定かな……。

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