聞きたい部分が出てこない。[レンタルDVD鑑賞日記その945]

心霊闇動画98(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 5月17日に、2025年4月リリースの『心霊闇動画98』を鑑賞。マンションで様子のおかしい女性を見付けたことで投稿者が思わぬ恐怖に見舞われる《川岸の女》、公園で遊ぶ子供を追いかるカメラが不気味なものを捉える《滑り台の傍ら》、亡くなった祖母の持っていたマンションの部屋で民泊を営業するために撮影した動画に異変が記録されてしまう《民泊紹介》など、全6篇を収録。
 相変わらずの低レベル安定――ではありますが、部分的には惜しいものもある。
 特に《川岸の女》は、シチュエーションそのものは興味を惹かれるものがありました。夜更けまでずっとマンションの対岸に佇んでいる女性に気づき、酔っ払っていた勢いもあって、投稿者がカメラを恋人に任せて、声をかけに行く。そこから恋人が、投稿者の様子を窺っているうちに奇妙な成り行きになる――というところまではものすごーくそそられる、のですが、そのあとがよくない。
 怪奇映像自体がかなり陳腐な結末を迎えてしまっていて消化不良なこともさりながら、インタビューで投稿者が語る、その前後の成り行きにいまひとつ説得力がない。話の中で、投稿者の意識がなく、気づいたら介抱されていた、という成り行きになっているんですが、その場合、普通なら考えられるプロセスや体験がない。そのせいで、状況だけなら面白くなりそうなのに、絶妙に説得力を欠いているのです。
 このシリーズは、インタビューはしているし、ナレーションの中では取材もしたように装っているけれど、それ以上の工夫がない。そのために、折角インタビューで異様な話が出たとしても、その検証はだいたいできておらず、果たして撮影された奇妙な現象と繋がるものなのか、不明瞭なままです。あえて曖昧なまま残すのも、不気味な余韻を醸し出すホラーのテクニックではありますが、あまりにも直接的な繋がりが感じづらいと効果を発揮しない。本巻に収録されている作品も概ねその類型で、インタビューは複数に実施している《民泊紹介》も、そういう意味では微妙です。いちおう、二人目のインタビュイーも映像に関係がある人物だし、話の内容もそれっぽいけれど、ここまで話を聞くなら、いっそ実地調査すればいいではないか。頑なにやらないのは何故なのか――借りた部屋やスタジオなりに、そこまで人を集めている時間がない、とかそんなんだろうけどな! って言わなきゃならなくなるでしょ。
 あと2本で大台突破、というくらい継続しているのに、どーしても成長が見られないシリーズです。成長したな、と思えるのは、ずーっと出演させていた演出補が、あまり出なくなったこと。なにせず~っと喋りが上達しなかったので、観ていて切なくなるのです。ときどき、本当に必要に駆られて、スタッフ目線で語るくらいでいいのだ。

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