『ばけばけ』感想&うんちく日誌、その14。(放送第16回・第17回)

ばけばけ
【NHK朝ドラ公式】連続テレビ小説「ばけばけ」。主演は髙石あかり。キャスト相関図・見逃し配信・あらすじ・放送予定など。小泉セツ&八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻がモデルの物語。明治の松江。怪談を愛する夫婦の何気ない日常を描きます。【作】ふじ...

 確実に明日描かれる、トキと銀二郎再会の様子を確かめてから書こうかと思ってましたが、どーしても触れざるを得ない描写が出てきたので書きます。
 吉沢亮演じる錦織友一のモデルは西田千太郎、やっぱり詳しくは省きますが、このあとの展開で重要な役割を果たす人物です。そして、“大盤石”という凄まじい仇名も実際に呼ばれていたものらしい――手許の資料ですぐに見つからないあたり、これも小泉八雲記念館館長・小泉凡氏の講演での発言だったかも知れない。
 この西田という人物、小泉八雲・セツにとって重要な人物であり、記録も残っていますが、ハーンが松江で生活を始め、ハーンとセツが連れ添うようになったあたりからのものは多く確認出来ても、その前の情報があまり発見出来ていないらしい。そのため、現状では想像、脚色のしやすい領域で、意外に早い登場はうまいやり方だと思います。
 これも私が手許の資料を探った範囲では、ですが、セツがこの時期に東京まで夫を探しに赴いた、という記録もなさそう。史実では、銀二郎のモデルにあたる前田為二は出奔後……って、これももしかしたらドラマでやるかも知れないので、もうちょっと伏せておきます。とりあえず、為二が稲垣家(結婚当時はまだ稲垣セツですょを逃げ出した理由は、予想を超えた困窮ぶりもあったと思われますが、セツの養祖父・稲垣万右衛門に厳しく接せられた、とも言われているそう。だからドラマの中の、勘右衛門が窮状にあっても頑なに武具を手放そうとしなかったことを契機に銀二郎が稲垣家を飛び出す、という脚色も絶妙だと思う。
 しかし、夫の出奔、現実味を帯びる遊郭行き、遙か遠い東京への旅路、という過酷な現実がこれでもか、とばかり連なってるのに、ドラマのトーンは相変わらず、ユーモアが溢れている。発見した銀二郎の居室の前で右往左往するトキの振る舞いとか、フミとトキの幼馴染み・野津サワが深刻な危惧をしているのに、横から間の抜けた口を挟む司之介とか、ほんとに最高です。
 銀二郎そのまま逃げろ、と言ってはばからない『あさいち』MC陣が焦るほど、再会目前の描写があったところで次回に持ち越していて、視聴者としては気を揉むところ。銀二郎は何を語るのか、このあと松野家はどうなるのか。

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